インターン・バブル、どう勝ち抜く? 大学3年生の就職戦線はすでに白熱
秋以降は1日だけの「1DAYインターン」も増加し、実質的な会社説明会だったり採用活動の入り口になっていたりするものも多い。人事関係者によるとある金融系の企業では、インターン終了後のアンケートを、担当者がすべての席を回って手渡しで受け取っていた。目を付けた学生のアンケートの右端を折って、後々わかるようにしておくためだ。
左の表にあるように、企業はあの手この手で採用活動に工夫を凝らしている。冒頭のニクリーチはその代表例。受け入れるインターンの数を大幅に増やした楽天には、マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学からも学生が参加した。LINEの「月給40万円支給」も話題になった。
LINEのHR担当執行役員、落合紀貴さんは言う。
「海外企業のインターンでは珍しい額ではない。もっと高給なものも多くあります。世界標準に合わせつつ、地方在住者など経済的な理由で参加できない学生を少なくしようと考えて金額を設定しました」
学生は、どう動けばいいのか。
大手ナビサイトは企業の採用広告の集合体だから、オープンは来年の3月。それまでは、水面下での企業と学生の直接接触が基本になる。
前出の曽和さんは言う。
「リクルーターやインターンで、春までに採用のめどをつける企業も多い。ふたを開けてみれば、3月の広報開始の時点で採用枠のかなりの部分が埋まっている可能性が考えられます」
学歴の壁も超えられる
8月の面接開始時点にはさらに枠が埋まっていて、あとは意思確認だけという企業も出てくるだろう。
学生は、なるべく早く動き始めることだ。エントリーだけして連絡を待つ受け身の姿勢ではなく、表には出てこない人事の動きに自ら引っかかるようにしなければならない。
こうした状況を、「学生にとってチャンスだ」と指摘するのは、一橋大学キャリア支援室の西山昭彦特任教授だ。
「インターンは、面接による選考よりも接触時間が長いため、能力や内面をじっくり見てもらうことができます。就活に自信がない人こそ、インターンに応募しましょう。本選考より粗削りなエントリーシートを提出する学生が多いので、いまのうちに書類作りに磨きをかけておくと、さらに一歩リードできるかもしれません」