米国の大型ディスカウント店、コストコではいつも、大きなカートに巨大な画面のテレビを載せてレジへ向かう客を見掛ける。一般消費者に食品や衣料などを卸売り価格で売る会員制が特徴の同社だが、家電のショッピングでもメインプレーヤーになりつつある。
賢い買い物情報を提供して消費者の信頼を得る『コンシューマー・リポート』誌が2万1000人を対象にした調査で、コストコは家電を買う小売店として大型家電(冷蔵庫、洗濯機など)と小型家電(調理器、コピー機など)でそれぞれ90点、92点を獲得、いずれでも上位にランキングされた。高得点の主な理由は価格の安さだ。
一方、品ぞろえの点では最低に近い評価。売れ筋商品に限定して販売する戦略のため、同店に並ぶ商品はテレビ、カメラ、電話機などに限られている。店員のサポートもほとんどない。だが、説明も不要な汎用品が最も安く手に入るのはコストコだと消費者はよく知っているのだ。
現在の米国の消費者は、目的に合わせてショッピングの場所を変えている。多様な家電を一堂に集めた量販店が消費者の行き先だった時代は終わった。2008年にサーキット・シティー、今年2月には業界2位のラジオシャックが経営破綻した。最後に残っているベストバイも、その存続が危ぶまれている。
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