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ヤマダ電機 落日の流通王 家電量販サバイバル

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わずか2カ月の間に50もの店を閉 鎖。家電流通の覇者だったヤマダ電機に何が起きているか──。

(本誌:富田頌子、前田佳子、渡辺拓未、山田泰弘、 冨岡 耕、筑紫祐二、中島順一郎、渡辺清治)

「早い者勝ち! 今がチャンス! 緊急値下げ 展示品限り」──。店内は黄色のポップが数多く貼られていた。

茨城県の北部に位置するひたちなか市。国営ひたち海浜公園の近くにあるヤマダ電機の「テックランド シーサイドひたちなか店」は売り場面積5100平方メートルを誇る大型店舗だった。6月27日土曜の昼すぎに店舗を訪れると、駐車場には160台以上の車が止まり、ワゴン車が駐車場に次々入ってくる。大半は夫婦や子ども連れの家族客。お目当ては「閉店セール」の特売品だ。

白モノ家電は人気が高く、買い手のついていない展示品は冷蔵庫が10台、洗濯機は14台しか残っていない。「重い商品は別の店に運ぶのも大変なので、大幅な原価割れで処分したんです。新品同様でしたから、セール最初の土日でほとんど売れました」と従業員は淡々と話す。

ヤマダがこの店を開いたのは2013年夏。わずか2年足らずでの閉鎖だ。周囲はこの数年で急速に発展した市内最大の商業集積地。大型商業施設やホームセンター、会員制ディスカウントストアのコストコ、食品スーパーなど数多くの大型小売り店が立ち並ぶ。

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