ギリシャ迷走の果て ユーロ圏で孤立無援
IMFへの支払いを延滞。緊縮策の受け入れでも、支援再開には時間を要する。
ギリシャ政府は、6月30日を期限とするIMF(国際通貨基金)への返済ができず、先進国初の“延滞国”となった。過去の延滞国はソマリア、スーダン、ジンバブエなど、貧困国から低所得国に分類される国々。1回で15.4億ユーロという遅延額もギリシャが最大だ。
IMFへの返済の遅延は、6月末を期限とするEU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMFによる資金供与の条件となる、「緊縮策」をめぐる交渉が決裂したためだ。チプラス政権が支援機関側の提示した緊縮策への「反対」を訴えて、7月5日の国民投票実施を決めたことが交渉の決裂につながった。
ギリシャ政府は、6月30日になって、従来の「支援プログラム」の短期間の期限延長と、2年間の新たな支援策を要請したものの、国民投票を実施する方針を撤回しなかったため、延長要請は退けられた。新たな支援策の検討は、国民投票の終了後となる。
これまでの支援プログラムの失効とIMFへの延滞で、ギリシャの銀行はより厳しい状況に追い込まれた。ギリシャの銀行からは、今年1月のチプラス政権の誕生と前後して、預金が流出し始めたが、協議決裂への懸念が強まるとともに流出が加速した。
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