エコノミストの間で語られてきた今年の世界経済3大リスクは、米国連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げ、中国経済の減速、そして欧州政治であった。ニッセイ基礎研究所上席研究員の伊藤さゆり氏はこう話す。「一見、世界経済や金融マーケットに影響がないように思えるが、問題の深さは欧州政治がいちばん大きい」。
ギリシャ債務問題で揺れに揺れたのは今年夏。ギリシャの国家破綻をぎりぎりで回避した欧州経済は、三つのエンジンを原動力に立ち直りの動きを見せている。
「ギリシャ債務問題の後遺症は、いわば一般病棟へ移れるような状況になっていた」(みずほ総合研究所上席主任エコノミストの吉田健一郎氏)。それに昨年末からの原油価格の暴落や欧州中央銀行(ECB)による金融緩和策が加わった。2014年のユーロ圏の国内総生産(GDP)成長率は0.9%だったが、ニッセイ基礎研究所によれば、15年は1.5%、16年は1.6%に回復する見通しだ。
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