自動小鋭カラシニコフから放たれた無数の鋭弾は、劇場の観衆やレストランの客を次々と襲った。11月13日、フランス・パリで起きた同時多発テロ。その影響は欧州や世界の経済へどう広がっていくのか。日本の欧州担当エコノミストたちも分析を急いでいる。
なぜフランスだったのか。ラテンの国、多様な民族、宗教……。欧州主要国の中でもイスラム教徒の人口比率が高いのがフランスであるが、そうした寛容さ、懐の深さは実は一面でしかない。フランス革命以来の独特の「宗教共存の原理」が「ライシテ」である。政教分離や世俗性を意味する概念で、個人が公の場で宗教を持ち出すことを禁じている。
イスラムを刺激するEUの牽引役
かつてパリの中学校におけるイスラム系女子生徒のスカーフ着用が問題となった。フランスの社会事情に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員の土田陽介氏はこう話す。「要はフランスに来たら、この国のルールに従えと。懐が深い反面、押し付けるような感じもある。そうした複雑性がフランスの姿。そこにイスラムを刺激する要素がいくつもあることは否定できない」。
フランスは旧西ドイツとともに欧州連合(EU)の前身、欧州共同体(EC)の創設メンバーで、EUが目指す欧州統合の牽引役でもある。この国の形は首都パリを絶対的な中心に据えた中央集権体制だ。
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