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安倍首相の真意を探る 自ら招いた安保論議の混沌

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衆議院平和安全法制特別委員会で挙手する中谷元防衛相(6月15日)(時事)

中谷元・防衛相は2013年7月発売の月刊誌『ニューリーダー』8月号掲載の「なぜいま憲法改正なのか」と題する筆者との対談記事で、憲法解釈と集団的自衛権の行使について「政治家として解釈のテクニックで騙したくない。自分が閣僚として『集団的自衛権は行使できない』と言った以上は、『本当はできる』とは言えません。そこは条文を変えないと……」と発言した。

当時は自民党の副幹事長兼憲法改正推進本部事務局長だった。1年5ヵ月後の14年12月、第3次安倍晋三内閣に防衛相兼安全保障法制担当相として入閣した。安倍首相は安保法制法案の審議が行われる15年の通常国会に備えて、防衛庁長官や自民党安保法制整備推進本部長などを歴任した「安保のプロ」の中谷氏が適任と判断して起用したのだ。

安倍内閣は5月14日に安保法制法案を閣議決定し、国会に提出。20日から国会で論戦が始まった。16日後の6月5日、衆議院平和安全法制特別委員会で、民主党の辻元清美氏(元首相補佐官)が、前記の対談記事の中谷発言を読み上げて、防衛相として憲法解釈変更による安保法制法案の制定を容認する現在の姿勢との矛盾を追及したのだ。

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