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ルビコン川を渡ったECB 欧州経済の今後を占う

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2009年のギリシャ危機は欧州債務危機に発展し、各国の国債金利が急騰した。財政破綻を防ぐため、EU(欧州連合)各国は厳しい財政健全化ルールの導入を余儀なくされた。その結果、当然ながら各国の景気は悪化、そこでECB(欧州中央銀行)は引き上げてきた金利を再び利下げに巻き戻した。

金融緩和により欧州経済は最悪期を脱したものの、高失業率やデフレに苦しむ国も残っている。ゼロ金利近くまで利下げをし、打つ手が限られるECBは量的緩和に追い込まれた。その決断はマーケットからとりあえずは好感され、緩和前から続くユーロ安基調が定着している。

それでもギリシャをはじめ反EU、反緊縮財政の政治圧力は域内各地でやまない。ECBに次の一手はあるのか。欧州は今後どうなるのか。3人の識者に、量的緩和後の欧州経済を読み解くポイントについて語ってもらった。

政治的な要請で緩和以外なかった

河野龍太郎 BNPパリバ証券 経済調査本部長

こうの・りゅうたろう●1987年横浜国立大学卒業。住友銀行、第一生命経済研究所等を経て2000年から現職。政府委員を歴任。(撮影:梅谷秀司)

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今回のECBの量的金融緩和の効果については、周囲に冷めた見方が多い。世界的にも緩和の効果に疑問の声が増えてきている。

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