安倍晋三首相は1月16~21日、エジプト、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルの4カ国を訪れる。2012年12月の第2次安倍内閣発足後、首相の中東訪問は3回目である。
第1次中東訪問は、13年5月のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(アブダビとドバイ)、トルコの3カ国。同年8月には、バーレーン、クウェート、カタールの3カ国を訪問した。そして昨年1月には、アフリカ歴訪の際にオマーンに立ち寄った。ペルシャ湾沿岸の湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国すべてに足を運んだことになる。
日本にとってGCC加盟国は、原油と液化天然ガス(LNG)の最重要供給国である。
そして、集団的自衛権行使の「範囲」とのかかわりで焦点となっているのがペルシャ湾ホルムズ海峡の機雷封鎖に対する掃海活動であり、GCC諸国はその範囲内にある。
ところが、今回訪問するエジプト、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルは非エネルギー資源国である。
では、なぜこの時期に安倍首相は訪問するのか。イスラエルは昨年12月中旬、中東和平の国連決議に反してパレスチナ西岸ガザ地区を空爆した。連綿と続く「中東紛争」の原点というべきイスラエル・パレスチナ紛争の当事国を訪れることによって、「積極的平和主義」に基づく安倍外交を世界にアピールする狙いがあるのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら