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なぜイスラム国は日本人を狙ったか [Interview] 私はこう見る
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フランスでの新聞社テロ、日本人人質事件……。イスラム過激派がもたらす脅威に、世界は大きく揺れている。日本人にとって縁遠かったイスラムの世界と、これからどう向き合っていくべきなのか。専門家に話を聞いた。
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高岡 豊 中東調査会 上席研究員

たかおか・ゆたか●新潟県出身。1998年早稲田大学教育学部卒業、2000年上智大学大学院外国語研究科博士課程前期修了。在シリア日本国大使館専門調査員などを経て14年5月より現職。(撮影:今井康一)
過激派同士の争いが仏テロを引き起こした
──今回の日本人人質事件をどう分析しますか。
過激派の行動様式はテロリズムを扇動すること。自分の政治的な要求を通したり世の中に広めたりするために、暴力を振るい脅迫する。彼らにとって成功の基準となるのは、実は土地を占領しているとか、一度の攻撃で何人殺害したとかではなく、いかにメディアに露出して注目を集め続けるかだ。
その宣伝効果で過激派の支持者の関心が高まり、ヒト、モノ、カネが集中するようになる。その意味で、イスラム国は大成功を収めている。
一方、イスラム国の拡大によって割を食っているのがアルカイダだ。過去10年以上、過激派の代表といえばアルカイダだったが、今はイスラム国に大きく水をあけられている。
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