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選挙結果に潜む「大敵」の正体 安倍自民の大勝は本物か?

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選挙から一夜明け、自民党本部で記者会見を行う安倍晋三首相(12月15日)(撮影:尾形文繁)

長期政権狙いで意表を突く早期の解散・総選挙を進んで仕掛けた安倍晋三首相は、与党の自民・公明両党の合計で公示前と同数の326議席を獲得し、参議院否決法案の再議決に必要な3分の2を維持した。作戦的中に違いないが、内心では「中くらいの喜び」のほろ苦い勝利だったのではないか。

解散直後は「議席減をどこまで食い止められるかが焦点」という分析も多かったが、投票直前の報道では「自民党単独で300~320議席」という予測記事も飛び出した。自民党単独の史上最高記録である1986年総選挙の300議席を超えるのは確実という空気が支配した。

ところが、2012年総選挙よりも4減の291にとどまった。一方で、4増となった公明党の発言力が政権内で強まるという見方もある。

安倍首相にとって、救いは比例区の得票だ。投票率が12年総選挙を大きく下回って戦後最低の52.66%と落ち込んだが、自民党の全比例区の総得票数は12年よりも約100万票多い1766万票だった。安倍首相にはうれしい数字だろう。

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