「悩みをすぐに解決したい人」に欠けている視点 悩みを「ネガティブ」に捉えると本質を見失う

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悩みをネガティブなものと捉え、すぐに解決策を求めることの問題点とは(写真:YAMATO/PIXTA)
「これで悩みは解決できる」「もう悩まない」そんなタイトルの本や動画があふれる中、「悩みを遠ざけるなんて、もったいない」と語る人がいます。それは、35歳という若さでユニクロを運営するファーストリテイリングの史上最年少執行役員として全社の組織改革を推進し、現在は、7カ月待ちになっている、面談サービス「トーチング」を展開している神保拓也氏です。そんな神保氏が、新著『部下・同僚・チーム、あなたの心に火を灯す新常識 悩みは欲しがれ』より、「悩み」の捉え方が変わる新常識を紹介します。

解決策を求めてばかりいると悩みは居場所を失う

「あなたの好きなことはなんですか?」と聞かれたら、私は迷わずこう答えます。「人に寄り添い、相手の悩みに一緒に向き合うこと。そして、その人の心に火を灯すことです」。

「心に火を灯す」と言うと、「カウンセラーの方?」「それとも何かの宗教?」と思われる方がいるかもしれません。しかし、私は牧師や僧侶ではありませんし、特段信仰している宗教もありません。どこかの学校の先生でもなければ、コーチングやカウンセラーの資格を持っているわけでもありません。

大学を出たあと、ごく普通のサラリーマンとして働き始め、2回転職して、最近独立したばかりの40歳の新米経営者です。社員は、私と元後輩のわずか2人だけ。たった2人で日々取り組んでいることは、あらゆる方の悩み相談に乗る活動で、こちらは現在7カ月待ちになるほど好評をいただいています。

創業から約2年で、ビジネスパーソン、経営者をはじめ、フリーランスや、主婦、フリーター、高校生、大学生など、これまで1000人以上の方の悩みに向き合ってきました。そこから見えてきたことは、多くの人は悩むことを嫌っていて、悩みを抱えるとその状態からとにかく抜け出したいと考えること。すぐに解決しようとしたり、消し去ろうとしたりする、という事実です。

そのため、世間ではどうしても「解決策」ばかりに注目が集まります。手っ取り早く答えを得られそうな書籍や講座、テレビ番組がいつの時代も人気で、最近ではYouTubeや音声メディアなどに解決策を求める人も増えています。しかし、悩みに向き合わずに、安易に解決策を自分の外側に求めてばかりいると、結果的に解決が遠のくことや、時には悩みがより複雑になってしまうことがあります。

「悩み」という言葉を聞くと、多くの方はそれをネガティブなものだと捉えるかと思います。

しかし私は、ネガティブでもポジティブでもなく、ニュートラルな「データの集まり」だと捉えています。そして、多くの方は、本来はニュートラルなデータの集まりである悩みから「自分は何者なのか」を知るための情報をうまく引き出せないために、悩みをネガティブに捉えてしまっているのだと考えています。

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