「もう辞めたい」部下を追い込むクラッシャー上司 実は優秀な社員ほど部下を潰しやすい傾向
人が仕事を辞める理由は、給料や福利厚生などの条件、対人関係を含めた職場環境、仕事の内容と自分の能力のミスマッチなどさまざまですが、大きくは次の3つに分けられます。
・仕事がつまらない
・未来に希望が持てない
・上司に対する嫌悪
とくに上司に対する嫌悪は、離職理由ランキングなどでもトップに入ってくる項目です。
上司ガチャといった言葉も話題になりましたが、部下は上司を選ぶことができません。それでいて仕事をしていくうえで多分に影響を受ける存在ですので、上司との折り合いが悪いということは、部下にとって大きなストレスになってしまいます。
「自分のせいで部下が退職」に気づかない
ところが、当の上司が「自分のせいで部下が辞めていること」に気づいているかといえば、そうではないかもしれません。
多くの場合、人は辞めるときに「もっと条件のよい仕事が見つかったから」「家庭の都合で」などもっともらしい理由をつけます。退職願を提出する上司自身に面と向かって「あなたが嫌だから辞めます」と言える人は稀でしょう。
そのため、部下を辞めさせている上司自身は、自分の行動を振り返り反省する機会を得ないまま、ときには「今時の若者は根性がない」などと、部下のやる気のなさを取り立ててしまうことさえあるのです。そしてその態度がまた、次の離職予備軍を作っているかもしれません。
ところで、あなたの部下の働きぶりはどうですか? いつもあなたの期待を上回ってきますか? それとも、下回ってきますか?
ここで、「下回っている」と答えた人は要注意です。実は、部下を追い込んでいるのは、上司の「高すぎる期待値」です。求める基準が高く、「これくらいできるでしょ」と部下に期待しているからこそ、いつもその基準を下回ってくる部下の仕事に対して、腹が立ってきます。なんでこんなこともできないのだろうとあきれ、ひどいときには関わるのをやめてしまいます。
部下からすれば一生懸命頑張ったのに、褒めてもらえないどころかガッカリされ、何をやってもダメ出ししかされない状況は、まったく面白くありません。そうすると、仕事に意義を見出せず手を抜き、上司はさらに失望するといった悪循環が発生します。
こうした状況を作り出してしまう上司には、実は仕事ができる人が多いのも特徴です。自分自身の当たり前の基準が高いからこそ、部下にもそれと同じものを求めようとする傾向があります。