方向性の相違から、ドル円は来年125円視野 BBHのマーク・チャンドラー氏に聞く
FRB(米国連邦準備制度理事会)がQE3(証券の大規模な購入による資金供給策)を今年10月に終了し、市場が注目しているのは、利上げの時期とペースだ。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジー部門グローバル・ヘッドで、"Making Sense of the Dollar"の著者でもあるマーク・チャンドラー氏に相場見通しと、米国経済、金融政策の行方について話を聞いた。(インタビューは2014年10月21日)
――足元から2015年にかけてのドル円相場の見通しは?
ダイバージェンス(相違、分岐)に注目している。米国と英国は金融緩和を脱して利上げに向かい、日本と欧州は金融緩和を拡大するという正反対の方向にある。ドルとポンドは強くなる方向で、円とユーロは弱くなる方向にある。
このところの為替相場はレンジが動いていく形になっている。ドル円相場は1ドル=105~110円だったものが、110~115円になり、いま115~120円へ動いている。今年末は1ドル=120円を目指す動きで、来年の中ごろには1ドル=125円がターゲットになるとみている。
ただ、米国経済は良好だが健全とは言い切れず、米国の利上げもスローペースとなる。そのため、急激なドル高が起きるとは考えていない。ユーロは対円でも弱くなる方向だ。
米国は2015年半ばから利上げ、四半期ごとに
――FRBは予定通りに、10月にQE3を終了しました。利上げの時期とペースを、どう見ていますか。
利上げ開始時期は8カ月後、来年の真ん中ぐらいというのが、共通した見方だ。米国の経済にはなお、脆弱な部分があり、利上げのペースはゆっくりしたものになるだろう。グリーンスパン時代のように会合のたびに毎回25ベーシス(0.25%)利上げするというのではなく、四半期ごとに25ベーシス上げていくと見ている。したがって、2015年は2回だろう。あと8カ月あれば、FRBの2つの使命である物価の安定と雇用の最大化が達成できているというのが見通しだ。
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