日本は最重要市場の一つ、新薬開発で積極的に投資--米メルク エグゼクティブ・バイスプレジデント アダム・シェクター


統合作業は順調に進捗 MSDの知名度向上に力

たとえば、フェーズ�では、アテローム性血栓症治療薬vorapaxar、C型肝炎治療薬boceprevir、骨粗鬆(しょう)症治療薬odanacatibが開発品目の代表例だ。vorapaxarはまったく新しい作用メカニズムの医薬品で、ほかの2品目も革新的な医薬品だ。開発後期パイプラインには、新たな子宮頸がんワクチンや生物製剤、低分子薬などが並び、多様性にも富んでいる。新薬開発を通じ、アンメット・メディカル・ニーズ(未充足の医療ニーズ)に積極的に応えていくことで、製薬企業で首位を占めたい。

大学や研究機関との提携関係の強化にも力を注ぎ、新薬候補の発掘を進めている。新設したメルク・バイオベンチャーズを通じて、バイオシミラー医薬品(バイオ後続品)の開発も積極的に進めていく。

──統合作業の進捗状況は。

すでに世界20地域のうち、17地域で統合作業が完了した。12年までに年間35億ドルの経費削減を実現する、という目標の達成に向けた取り組みも順調に進んでいる。

日本では10月1日に万有製薬(旧メルク子会社)とシェリング・プラウが合併し、MSD株式会社が誕生した。米国、カナダでは、Merck & Co., Inc、欧州やアジア、日本ではMSD(Merck Sharp & Dohme)の社名で展開していく。日本以外ではMSDの名称を以前から使用しており、すでに広く知られている。

現在、売上高の約半分を米国で、残る半分を米国以外で稼いでいる。世界140カ国以上で事業展開しており、ラテンアメリカでは医薬品市場で第2位の地位にある。中国では07年以降、営業担当社員を約90%増員し、現在は約3000人と、中国国内の医薬品企業の中でも最大規模の人員体制になっている。中国・杭州では7月に新たな製造施設が着工。中国の大手企業と、ワクチンの登録・製造・商品化を行う合弁会社設立に向けての趣意書に署名した。

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