スズキ、鈴木修社長「過当競争は当たり前」 シェア争い、為替、増税まで持論炸裂

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スズキが先行きの見通しに慎重になる最大の理由が、自動車の税制改正だ。まず、消費税8%への引き上げに併せて、自動車取得税の減税が行われた。一方で軽自動車税は15年4月以降の購入から引き上げられる。さらに、消費税10%への引き上げ時には、取得税の廃止が決まっている。

昨年は軽自動車だけが1000億円の増税を仰せつかった。取得税の(廃止で減少する)1900億円のうち、1000億円は軽で増税しちゃったんですね。でも取得税に占める軽の割合は、250億円ぐらいだと思っている。

取得税の廃止に伴う”財源”として新設される、自動車の環境性能に応じた取得時の課税は、登録車に加えて軽自動車も含まれるという見方がある。地方では「日常の足」として使われる軽に逆風が吹き付ける。

(増税でも)スズキの腹は痛まない。お客様が影響を受ける。都会は公共交通機関にずいぶん投資されているが、田舎はそうでもない。社会政策上、税負担が偏りすぎていませんかということも言える。公共交通機関がないところで、バスが午前中3回、午後3回ではどうにもならない。ご家族や子供が病院に行くのに、そんなに大きいのはいらないんですよ。軽で十分。なんか、東京で地方いじめをやっている。

「果報は寝て待て」

目先の懸案は消費増税後の販売だ。いつ正常な形に戻るのか。

こっちが教えていただきたい。消費税が5%から8%に上がって、さらに2%上げることが議論されている。どっちにしても増税ですよね。自動車の中で軽自動車は増税、増税だから、見通しは非常に暗いと言わざるを得ない。ただ、手をこまねいて時の経過を待つというわけにもいきませんから、全力を挙げてチャレンジするしかない。いいアイデアをいただきたいくらいだ。

2009年に資本業務提携を発表した鈴木修社長とVWのマルティン・ヴィンターコーン社長

フォルクスワーゲン(VW)と電撃的な資本提携を発表したのは2009年。が、対等を求めるスズキとVWの方針がかみ合わず、関係は2年で破綻した。スズキ株の20%弱を保有するVWとは、資本・業務提携の解消を求めて、国際仲裁裁判所で係争中。一時、年内にも結論が出るのではといった見通しを語っていたが・・・。

 変化は何もありません。どうなるかを聞く元気もないし、仲裁人が決めることだから放っています。果報は寝て待て。

(撮影:尾形文繁)

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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