日産、中国販売の変調で問われる底力

目指すは世界シェア8%、利益率8%

昨年の中間決算はゴーン社長が会見で業績修正の説明を行った(撮影:大澤誠)

急きょ予定を変更してカルロス・ゴーン会長兼社長が会見に臨み、業績の下方修正と最高幹部人事を発表した昨年の中間決算とは違って、今回は平穏だった。

「上期はしっかりとした業績を達成できた」――。日産自動車の西川廣人CCO(チーフ・コンペティティブ・オフィサー)は、11月4日の会見で中間決算をこう振り返った。販売台数が過去最高となり、売上高も前年同期比8.2%増の5兆1446億円と過去最高を更新し、営業利益も18%増の2619億円と4年ぶりの増加に転じた。

世界販売計画は引き下げ

主力の北米市場は上期の販売台数が前期比約14%増の70万8000台と好調。中でも、新型SUV(スポーツ多目的車)「ローグ」(日本名:エクストレイル)や中型セダン「アルティマ」(日本名:ティアナ)が台数増に貢献した。昨年11月にはメキシコで3番目となる新工場を稼動させ、年間生産能力を68万台から85万台超に引き上げており、旺盛な北米需要に応える体制作りに余念がない。

上期の結果を受けて、北米は通期ベースで従来の販売計画から5万台上乗せし、前期比約10%増となる181万台に引き上げた。しかし、世界全体の販売計画は545万台(前期比5%増)と従来の見通しから20万台引き下げている。計画通り達成すれば過去最高の販売台数だが、下方修正を迫られたのは新興国での見通しを変えたことに加え、北米に次いで台数規模の多い中国市場の苦戦が影響している。

日産は中国で日系メーカー最大のシェアを持っており、上期(日産の上期決算は4月~9月だが、中国は1月~6月分)の販売台数は前期比14.6%増の62万台、市場シェアも5.6%と0.3ポイント上昇した。今年3月に投入した新型「エクストレイル」の販売が好調で、高まるSUVの人気を取り込めたといえる。

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