「不況は7年間続く」という予測の真実味--ロバート・J・シラー 米イェール大学経済学部教授

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 ラインハート教授とロゴフ教授は、人々が抱いている経済に対する考え方を発展させ、一般化している。今回の金融危機が07年に始まって以来、多くの人は1929年の株価暴落と30年代初頭の銀行危機後の大恐慌が、現在の危機と関連性があるのではないかと考えている。大恐慌は深刻な国際的危機で、10年以上続いた。また、株式と不動産ブームが破裂した後に起こっている。ほぼ同じ事態が、現在の危機の前にも起こっている。

同様に、バブル崩壊後の日本経済の低迷も、現在の危機と関連性があるのではないかと多くの人は考えている。日本経済の低迷は“失われた10年”といわれているが、現在では“失われた20年”と言うほうが適切だろう。

この二つのケースは、将来を予測するモデルになるのだろうか。これらは確かに一考には値する。しかしながら、将来を予測する説得力のある論拠とはならない。

今回の金融危機は過去とどう違うのか

両教授は多くの事例を研究している。73年と79年の石油ショックの後にも世界的な金融危機が起こっているし、個別の国では、77年にスペイン、81年にチリ、87年にノルウェー、91年にフィンランドとスウェーデン、94年にメキシコ、97年にインドネシアと韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、98年にコロンビア、01年にアルゼンチンとトルコで金融危機が起こっている。

こうした多くのケースから、両教授は、先進国の一人当たりの実質成長率の中央値は危機前の10年より1ポイント低下、失業率の中央値も5ポイント高くなっていることを明らかにしている。

その理由は何か。両教授は、危機前の10年間に債務水準とレバレッジ(借り入れによる投資)が上昇し、それが長期にわたって資産価格を押し上げたと指摘する。さらに、危機前のブームの状況において、人々が「今回のバブルは過去のバブルとは違うので、心配は無用」と考えたため、バブルが長期にわたって続く結果となったのである。

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