都営三田線・目黒線、「8両化」と相鉄線直通の行方 沿線民待望の車両増結、新線は23年春開業決定

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都交通局は2019年度の経営計画で三田線の一部車両8両化を公表。車両の新造とともにホームドアの対応工事などを進めてきた。

だが、もともと同線は将来の8両化を想定しており、ホームなどはその分の長さを確保済みだった。現行車両の6300形は西高島平寄りの1号車から「63〇〇-1」「63〇〇-2」とハイフン付きの車両番号が記されているが、目黒・日吉寄りの先頭車両6号車は「-6」ではなく「63〇〇-8」。こんなところからも、8両化を念頭に置いていたことがうかがえる。

現行の三田線車両6300形。目黒寄りの車両番号には「-8」が付いている(記者撮影)

実際に、現在の三田線・南北線・目黒線による相互直通の計画が固まった1980年代末に各社局が交わした覚書では「相互直通列車は8両編成」との計画だった。だが、開業後の需要見込みなどを踏まえ、3線の直通が始まる約2年前の1998年に「相互直通運転開始時から当面の間、営団(現東京メトロ)、都、東急ともに6両編成とする」と計画を変更し、これまで6両での運転が続いてきた。「施設は以前から対応していたが、ようやく8両編成を迎えられた」(都交通局の担当者)。8両化は長年の悲願だったといえる。

東急は目黒線全車を8両化

三田線は現在6両編成37本の電車があり、このうち13本を新型の8両編成に置き換えるが、従来車の8両化については未定だ。一方、直通する東急目黒線は、同線用の26本を2022年度中にすべて8両化する。東急は8両化にあたって新型3本を導入(現在は暫定的に6両で運行)したほか、23本の従来車はそれぞれ2両増結して8両化する。東京メトロも、本数や導入時期は「明確には決まっていない」(同社広報部)ものの、南北線の従来車両に増結する形で8両化する予定だ。

都交通局が増結でなく新車導入による8両化を選んだのは「現行車両が30年近く経過したこともあり、更新(置き換え)のタイミングだったため」だが、局内で大規模な改造などが難しいという点もあるようだ。都交通局の車両担当者は、「交通局は車体を更新修繕する広い敷地がなく、そういった職場やグループ会社のある民鉄と違ってどうしても外部に持ち出して行うことになり、(従来車更新は)コスト的に不利な面もある」と話す。

都交通局は新宿線の10両化でも、従来車への増結でなく新造車による置き換えを選んでいる。多額の費用を投じて従来車の機器を更新するより新造したほうが、機能面でもサービス面でもメリットがあるとの判断だ。

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