都営三田線・目黒線、「8両化」と相鉄線直通の行方 沿線民待望の車両増結、新線は23年春開業決定

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三田線の8両編成は5月14日に運行を開始する予定。一方、東急目黒線はこれより早く4月上旬に8両編成の第1陣が運行を開始し、まずは東京メトロ南北線方面へ乗り入れる予定だ。

そして、8両運転開始の後に控えるさらに大きな変化が、2023年3月に予定する東急新横浜線(日吉―新横浜間)・相鉄新横浜線(新横浜―羽沢横浜国大間)の開業だ。新線は相鉄線と目黒線・東横線を結び、両線に直通する各線を含む広大なネットワークが誕生する。

東急電鉄が目黒線8両化に向けて投入した3020系(記者撮影)

東急・相鉄新横浜線直通列車の運行範囲となる予定の路線は、相鉄線、東急目黒線、都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道のほか、東急東横線、メトロ副都心線、そして東武東上線だ。

詳細なダイヤは各社とも「現在まさに調整中」。だが、信号・保安設備などの関係で、全社の車両がどの路線にも自由に乗り入れできるわけではない。各社の車両が直通できる範囲によって、運転系統もある程度決まってくる部分がありそうだ。

走れる範囲は各社それぞれ

今のところ、運行範囲が広そうなのは相鉄と東急の車両だ。

相鉄が新横浜線直通列車に使用するのは、10両編成の「20000系」と8両編成の「21000系」。前者は東横線系統、後者は主に目黒線系統に乗り入れるとみられる。相鉄によると、これらの車両は東急線のほか東京メトロ南北線・副都心線、都営三田線、埼玉高速鉄道に乗り入れ可能といい、東武東上線以外の各線を走れることになる。

すでに目黒線車両が三田線や南北線に、東横線車両が副都心線や東武東上線に乗り入れている東急は、目黒線車両と東横線の10両編成の電車が相鉄乗り入れに対応するという。

【2022年2月28日23時20分 追記】記事初出時、相鉄車両の乗り入れ区間について取材時の質問と回答に食い違いがあり、事実と異なる内容になっていたため上記のように修正しました。

一方、相鉄線には乗り入れない予定の車両もある。埼玉高速鉄道は「自社車両の運行は新横浜までの予定」(同社営業推進部)で、8両化の計画もない。すでに副都心線・東横線に乗り入れている東武東上線も「現時点で車両の改造予定はない」(同社広報部)。東京メトロの車両も今のところ相鉄線内には入らない予定といい、相鉄線―東急線直通列車は相鉄と東急の電車が担うことになりそうだ。

新たに登場する三田線の6500形も、現時点では相鉄線直通に対応した設備はない。ただ、都交通局の担当者は「詳細な運行計画が決まっていく中で(対応も)考えられないことはない」といい、車両の乗り入れ対応は今後のダイヤ策定の中で変わる可能性もありそうだ。

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コロナ禍で鉄道各社の利用が低迷する中、東急・相鉄新横浜線は久しぶりの大きな話題だ。東急の髙橋和夫社長は「東急線はこれまでも各社と相互乗り入れを行うことでよい結果を生んでいるので、相鉄線との相互直通も効果を生むと確信している」と力を込める。東上線が直通ネットワークの一翼を担うことになる東武鉄道も「新横浜に乗り入れることで新幹線へのアクセスが向上し、利用の喚起につながる」(同社広報部)と期待感は高い。

約1年後に迫る東急・相鉄新横浜線の開業と広大な直通ネットワークの誕生。目黒線・南北線・三田線の8両化はその大変化の一歩といえる。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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