普通列車と違う?新幹線・特急の運転士は「特別」か 社内で「選抜」ある場合も、SLは複数免許が必要
現在のJR東海の採用方式ならば、「総合職」もしくは「プロフェッショナル職」の「運輸部門」に応募することになる。総合職は将来的にマネジメントを担う職種、プロフェッショナル職は「主に鉄道部門で高い技術力・専門性を発揮することを期待」される職種、つまり現場の第一線だ。総合職の場合は、ジョブローテーションの一環として新幹線の運転免許を取得する。
実は同社は以前、総合職全員に新幹線の運転免許を取得させていた。つまりオフィスで働くマネジメント系の社員もみな新幹線の運転ができたわけだ。これは何かあったときでも新幹線をきちんと動かせるようにしたいという考えが背景にあったためだが、現在は鉄道の運行に直接携わる職種のみに取得させているという。総合職の運輸部門は主に理系の大卒者が採用される。
JR東海の場合、新幹線の運転士は「選抜」されるという性質とは違うものの、本気でなりたいという人は、入社を志願する際にコースをよく見極める必要がある。
ロマンスカーの運転士は「エース」
子どもたちの憧れの列車としては特急列車も大きな存在だ。さまざまな特急があるが、とくに小田急電鉄のロマンスカーは憧れの存在としてポジションを確立している。
小田急電鉄に話を聞いてみると、ロマンスカーの運転士は選抜度の高い仕事であることがわかった。まず同社にエキスパート職で入社し、駅業務や車掌業務を経て、電車の運転免許である「甲種電気車運転免許」を取得する。その後、3年間は一般車両の運転を経験する。そしてようやく、ロマンスカーの運転士になるための社内試験を受けるのだ。
まずは基礎試験として、筆記試験と実務試験。それに合格したら、任用試験で接遇のロールプレイが試される。不合格になる人もいるという。
ロマンスカーといえば展望席付き車両が有名だ。赤いロマンスカー「GSE」や3月に定期運行から引退する「VSE」の運転室は展望席上の2階にある。そこに乗り込む運転士の姿はカッコいいが、その運転台のタラップをのぼるには厳しい選抜基準を満たさなければならないのだ。
さて、新幹線、私鉄特急と見てきたが、鉄道の運転士の中でもさらになるのが難しそうなものがある。SLの運転士だ。そもそも蒸気機関車は、免許の種類が違うのだ。
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