スズキ「新型アルト」が問う軽自動車の存在意義 7年ぶりの大刷新、若い女性ユーザーの獲得狙う

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しかし、近年、その存在感は薄れる一方だった。軽にも車室の広さなど快適性を求めるニーズが高まったからだ。特に最近では、軽のサイズ規格の限界まで車内空間を広くした「スーパーハイト系」と呼ばれるワゴンタイプに人気が集中している。

スーパーハイト系の軽自動車は基本的に後部座席のドアがスライド式になっており、小さな子供がいる若い世帯の手頃なファミリーカーとしての需要も取り込んだ。ホンダの「N‐BOX」を始めとするスーパーハイト、あるいはそれに近い天井高のハイト系ワゴンが今の各社の売れ筋車種だ。

一方、安価ながら車室が狭く、装備・装飾も最低限でしかない昔ながらのアルトの国内販売は右肩下がりで減少してきた。

2020年度の販売は6.1万台にとどまり、過去15年間で見ても2014年度の約2分の1にまで落ち込んでいる。首都圏内のスズキの販売店によると、「今のアルトは購入者が高齢者や(安価な営業用車両を求める)法人需要に限られている」という。

デザインやCMでイメージ刷新

そうした中で、販売のテコ入れを狙った7年ぶりの全面刷新。可愛げのある丸みを帯びたデザインや、スズキ国内初の7インチディスプレイオーディオの採用などからは、再び若い女性ユーザーを取り戻そうとする意図がうかがえる。若者に人気の女優、波瑠さんを採用したテレビCMにしてもそうだ。

新型アルトには7インチのディスプレイオーディオも搭載され、機能が拡充された(写真:スズキ)

近年、軽自動車は機能や装備の充実により、価格上昇が著しい。軽の販売ランキング上位に並ぶスーパーハイト、ハイト系のワゴンは、オプション装備も含めると最終的に200万円を超える車種も珍しくない。

そうした中にあって、100万円程度で新車が買えるスズキのアルトは、ダイハツのミラと並んで、今や数少ない本当の意味での「庶民の足」だ。今回の全面刷新により、若い女性も再び取り込んで存在感を取り戻せるのか。月間販売目標台数は6000台(年換算で7.2万台)。まずはこの目標を達成できるかどうかが注目される。

井上 沙耶 東洋経済 記者

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いのうえ さや / Saya Inoue

自動車業界を担当後、現在は専門店やアパレルなど小売業界を担当。大学時代は写真部に所属。趣味は漫画を読むこと、映画のサントラを聴くこと。

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