中学・高校から「金融経済教育」拡充で何が変わる? 本格実施を前に「体験型学習教材」導入のススメ
では、こうした教材を使って、中高生の段階から金融経済を学ぶことは、子どもたちにとって、どのようなメリットがあるのだろうか。内田氏は各学年によって求められる金融リテラシーがあり、段階的に学ばなければ、結果として確かな知識は身に付かないと言い、そのうえで、忘れてはならない大事なことがあると指摘する。
「例えば『株式投資にはリスクがある』と言われたとき、私たちはどう判断するべきでしょうか。リスクを管理するためには回避、低減、転嫁、受容といった4つの考え方があります。つまり、金融経済教育で重要なのは、リスクを回避して何も行動しないのではなく、リスクを低減させるために何をすべきか。例えば「長期・積立・分散」という方針で資産形成を行うことを学ぶことです。実際、世の中でもリスクを回避して何も行動しなければ、リターンを得ることはできません。どんな行動に対しても、リスクがある。そのリスクをいかに管理するかを学んでこそ、人生の新たな道を開くことができる。学校で金融経済を学ぶということは、社会生活の基礎力だけでなく、子どもたち将来、不確実な社会を生き抜いていくための力を身に付けることでもあるのです」
日本証券業協会では、これからも国内の金融リテラシーを高めるために、積極的に施策を講じていくという。内田氏も最後に次のようにメッセージを送る。
「私たちは今、先生たちのニーズに最大限お応えできるよう教材だけでなく、セミナーをはじめとした、さまざまな取り組みを行っています。金融経済教育が学校の教育現場で浸透するのはまさにこれからです。これまでに興味・関心がなかった方でも機会があれば、ぜひお声がけしてほしい。私たちも全力でサポートさせていただきたいと考えています」
日本証券業協会・金融経済教育応援コーナー(先生・教育関係者向け)はこちら
(文:國貞文隆、写真:注記のない写真は freeangle/ PIXTA)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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