米Appleを衰退させる「残念な企業文化」の中身 「デザイン至上主義」「トップダウン」はもう限界

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アップルの未来について、私は、アップルの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアックにインタビューすることができた。

会話は変革についての議論で始まり、ウォズニアックはアイフォーンについて自身が考えていたことを率直に述べてくれた。

「ユーザーとして、現在のアップルの製品に満足している」とウォズニアックは言った。

「アップルの売り上げやマーケットシェアが半分になってしまったらどうかって? だからなんだというんだ。それでも大企業じゃないか。なくなったりしないさ」

しかし、アップルはアイフォーンの成功にあぐらをかいているつもりはない。

アップルは自動車をつくりたい。アップルはホームポッドとシリを成功させたい。スティーブ・ジョブズ・シアターで、アップルTVプラスの番組の予告編を見せる以上の大きな発表を行いたい。

そしてアップルはほかにも、私たちに内緒にしている計画があるようだ。ただしこれらの夢を実現するには、アップルはその文化を変えなければならない。

インタビュー終盤の一言で…

エンジニア思考についてウォズニアックと議論して、アップルにもっと変革があふれるようになるにはどうすればいいかと尋ねてみた。

『GAFAMのエンジニア思考』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

アップルの共同創設者は最初、自分は経営に携わっていないから、アップルが「もっと」変革あふれるようになれるかなんて知らないと言って、その場はやり過ごした。

しかしそろそろ別れようとする間際になって、ウォズニアックはその質問に答えた。

「低い層のマネジャーに決定を任せることだ。低い層にもっと責任をあずけるんだな」

アレックス・カントロウィッツ 「バズフィード・ニュース」テクノロジー担当シニアレポーター

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あれっくす・かんとろうぃっつ

その記事は「ウォール・ストリート・ジャーナル」をはじめ、ニューヨーカーやスポーツ・イラストレイテッドなど主要な雑誌、オンラインメディアで数多く引用されている実績がある。また、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftに関するニュースレターとポッドキャスト「Big Technology」の創始者でもある。コーネル大学産業・労働関係学部卒業。サンフランシスコ在住。 

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