JPモルガンが投資家に株式の押し目買いを再推奨 株はさらに高い金利と原油価格に耐えうると予想
債券利回りの急上昇やエネルギー価格の高騰で世界の株式が売り込まれたものの、JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏らストラテジストは、株式市場と経済がはるかに高い金利や原油価格に耐えられるとの見方を示した。
原油130ドル、10年債利回り2.5%でも株市場は耐え得る
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は1バレル=75ドルを上回り2014年以来の高値圏にある。しかし、WTI原油が平均で100ドル付近で推移した2010年から15年に米国の経済と消費は順調だったとストラテジストらは指摘。実際、こうしたインフレと消費者の購買力などで調整すると、原油は130ドルや150ドルに上昇しても大きな問題にはならないことが同行のモデルで示されたと説明した。
一方で、金利上昇懸念は行き過ぎだとし、米国企業の収益力や債券に対する株式の相対的な評価プレミアムを考慮すれば、株式市場は米10年国債利回りが現状より約100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.5%に上昇しても影響を吸収することが可能だと考えるとしている。
コラノビッチ氏らは6日の顧客向けリポートで、「利回りが(米10年国債で)250-300 bpsを上回らない限り、幅広い市場の急落は予想しない」とした上で、「現在のエネルギー価格が経済に重大な悪影響を与えるとは考えていない」と付け加えた。