これから「食品値上げ」の波が家計を圧迫する 「実質値上げ」ではなく「ダイレクト値上げ」に

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幸い家計には「強制貯蓄」が積み上げられていると考えられ(参考記事『日銀「強制貯蓄20兆円の取り崩し」は楽観的すぎる』)、一定程度の「余裕」はあるだろう。「強制貯蓄」の取り崩しは経済再開後の挽回的なサービス消費の原資として期待されてきたわけだが、これが「ダイレクト値上げ」に吸収される展開が想定されよう。

「食品」の値上げに伴い、サービス消費は抑制か

前述した消費者サイドの3つの理由に加えて、今次局面では企業サイドで輸送費などの原材料以外のコストも転嫁する誘因がある。やはり原材料のコスト増を機械的に調整することが多い「実質値上げ」ではなく、総合的な値上げとなりやすい「ダイレクト値上げ」に企業が踏み切る可能性は高いだろう。

今回のコラムの結論をまとめると以下である。今後の個人消費のテーマとして消費マインド悪化につながりやすい「食品」の「ダイレクト値上げ」が浮上してくる可能性が高い。

・ 食品の値上げは待ったなしの状況
・2013~2015年の値上げの例から考えると、今後の家計を圧迫する可能性がある
・ 今後増える予定だったサービス消費を抑制する可能性には留意
・ ①「実質値上げ」は一巡した可能性があり、②前回の「実質値上げ」は評価されておらず、③コロナ禍では価格競争の少ないことから、「ダイレクト値上げ」が行われる可能性が高い
・ 「ダイレクト値上げ」による消費マインドの悪化も懸念される
末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト

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すえひろ とおる / Toru Suehiro

2009年にみずほ証券に入社し、債券ストラテジストや債券ディーラー、エコノミスト業務に従事。2020年12月に大和証券に移籍、エクイティ調査部所属。マクロ経済指標の計量分析や市場分析、将来予測に関する定量分析に強み。債券と株式の両方で分析経験。民間エコノミスト約40名が参画する経済予測「ESPフォーキャスト調査」で2019年度、2021年度の優秀フォーキャスターに選出。

2007年立教大学理学部卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学修士)。2014年一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略・経営財務コース修了(MBA)。2023年法政大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了(経済学博士)。

 

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