1分差で乗り継げず45分待ち…痛い「骨折ダイヤ」 列車の運行が分断されている駅の「あるある」

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なぜそうなるのか。逗子駅ホームのベンチに座って観察してみると、逗子駅にある3つの番線の運用の難しさがわかる。

久里浜からの上り列車は、逗子で4両を増結して15両編成となる。連結作業には一定の時間を確保しなければならない。上りは約10分おきに発車するので、その間に連結作業を終える必要がある。この時間を確保するため、久里浜からの列車は先行の上り列車が出た直後に逗子駅に着くダイヤになっているのだ。

ここまでは致し方ない感じもする。だが区間列車はもう少し何とかならないか。逗子―久里浜間はきっちり20分おきだが、区間列車だけでも3分前にずらせば前の列車に乗り継げるだろう。だが、実際には各番線の運用の都合で難しそうだ。すべて久里浜直通列車にしても結局列車の増解結時間で待たされることに変わりはないし、逗子―久里浜間の全駅を15両対応にでもしない限り、この問題は解決しないだろう。

東武伊勢崎線の久喜駅は「よいお手本」

東武伊勢崎線も久喜駅で都心側の列車(毎時4本)と館林方面の列車(毎時3本)に運転系統を分けている。この駅は半蔵門線直通列車を久喜まで延長した際に1面2線から2面4線へ改造し、都心側、館林側両方に引き上げ線を設けることにより、上りも下りも同一ホーム接続ができるようになっている。

しかも運転間隔にも工夫があり、館林側が概ね20分おきであるため、都心側は15分おきではなく、20分・10分間隔を交互に繰り返す形にすることにより、毎時3本中1本だけは10分待たされるものの、その他の列車は乗り換え待ち時間ほぼゼロだ。運転間隔が均一であることが必ずしもいいとは限らないことを示す例ではないだろうか。

全国至るところにある骨折ダイヤ。その多くは駅配線などの複雑な問題で発生している。このような交通滞留問題は道路の世界なら(鉄道と比べれば)予算がついて改善できるスキームがあるが鉄道にはそれがない。鉄道会社も利益に結び付かない改造は控えざるをえないだろう。鉄道についてもこうした箇所の改善がすぐできるような政策があってもいいのではないだろうか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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