ジャパネット、社長は「できるんじゃないの?」 高田社長の名調子が聞けるのは来年まで
「僕は社長にずっとテレビに出てほしいと思っています。社長の足腰が弱くなったら杖をついて出演してもらい、その杖をテレビショッピングで売りたいです」
7月31日、東京都内で開催された「ジャパネットたかたテレビショッピング20周年記念 感謝の会」。家電メーカーや放送局など多種多彩な業界の関係者が約500人集い、過去20年間にわたるジャパネットのテレビショッピングの歴史が紹介された。
華やかなパーティーの最後は、高田明社長(65)の長男で次期社長の高田旭人副社長(35)のあいさつで締めくくられた。「父から言われたことはないが、15歳の頃からジャパネットで働くことをイメージしていた」と語り、続いて冒頭の発言が出て、会場は笑いに包まれた。
同日に親子そろっての記者会見も開かれ、1月16日付で高田社長が退き、後任に旭人副社長が就任することを改めて発表した。高田社長は「交代まで5カ月あるので、それまでに自分の去就を決めたい。テレビ出演は半年か一年かは続けるが、再来年も出演することはない」と宣言。その理由を「どの企業でも、創業者が抜けた後を乗り越えるのが若い人たちの使命。彼らが主役になってくれるよう、退任までの間に檄を飛ばしていきたい」と晴れやかな表情で説明した。
ジャパネットの幹部社員は、「2年前から社長退任を公言していたので社内に驚きはまったくない」と打ち明けた。かねてから高田社長は旭人副社長との雑談の中で、「そろそろ(社長交代は)どう?」と聞き、旭人副社長が「まだ無理」と答えるなどのやりとりをしていたという。社員たちはむしろ世間の反応に驚いているようだ。
社員に成功体験を持ってもらう
実際に社長交代が決定したのは3~4カ月前という。自宅で過ごしているときに高田社長が「できるんじゃないの?やればいいよ」と旭人副社長に話を振ると、「やる」と返してきた。「それならやれ」と高田社長は退任を決め、当初の予定よりも1年前倒しで社長交代が決定した。
旭人副社長は、「創業者は絶対的な存在で、ジャパネットは文鎮型の組織で成長してきた会社。僕がやるべきことは社員一人一人に成功体験を持ってもらえるように組織を整え、会社の成功は自分の成功と思える社員を増やすこと」と語る。
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