コロナ禍の婚活「お見合い成立過去最多」のワケ オンラインお見合いも当たり前になっている
2人とも初めから「活動期間」を意識していたという。結婚願望が強かった朝子さんは、入会時に「2~3カ月で卒業したい」とMCに伝えていた。「時間をかけすぎると、自分の気持ちがわからなくなりかねない。入会当初の志を持ち続けることが大切」と語る。
オンラインでのお見合いも当たり前に
厚生労働省の人口動態統計によれば、昨年の婚姻件数は52万5490組。一昨年から約7万3500組減った。一方、結婚を意識して行動する男女は増える傾向にある。
国内約2800の相談所が入る日本結婚相談所連盟のデータでは、コロナ前(2019年11月~20年1月)に月平均で約3万5千件だったお見合いの成立件数は、最初の緊急事態宣言が出た後の昨年4月は約2万1千件台まで落ち込んだ。
しかしその後は徐々に回復。今年5月には過去最多の4万6414件にのぼった。オンラインでのお見合いも当たり前になった。同連盟を運営する婚活サービス大手のIBJが、婚活する男女約1300人にしたアンケートでは、回答者の約半数がオンラインお見合いの経験が「ある」と答えている。
ツヴァイでも、朝子さんと健吾さんのように、コロナ禍以降に出会ってゴールする「コロナ婚」が増えている。広報の寺門里紗さんは「リーマン・ショックや東日本大震災同様、社会不安が起きるとパートナー探しの需要も高まる傾向がある」と指摘する。
結婚相談所「IBJメンバーズ」(本部・東京)では昨年以降、20代の入会者が目立つという。広報の椎名麻里さんは「飲み会や合コンの機会が減り、出会いの場を相談所に求めるケースが増えている」と話す。
東京と関西に拠点がある「結婚物語。」は、成婚者が自らの活動歴を詳細につづったブログが人気だ。昨年は、入会者数が前年比で1割増。代表の苅谷昌浩さんは「男性の場合、収入や精神状態が不安定だと婚活を始めにくい。コロナ禍で収入の不安を抱える男性の入会者は減ったが、代わりに経済面も精神面も安定している層の入会が増えた印象だ」と話す。
同相談所では、ほかの相談所の会員も含むプロフィル検索のほか、仲人が会合で会員同士を紹介する「手組(てぐみ)」と呼ばれる方式が中心。対面後、相手を気に入ると「仮交際」へ。この段階は同時並行でほかの会員と会ってもいい。デートを重ね気持ちを定めたら1人に絞り「真剣交際」。順調にいけばプロポーズ、そして結婚となる。