「上司は偉い」の勘違いが生む日本企業の重大欠陥 マネジャーはあくまでも「機能」にすぎない
そのため、リーダーはときに「ごめん、みんな」とチームのメンバーに頭を下げるときもあるでしょう。チームで目指していたゴールが会社のゴールとずれてしまったときは、自分の内側から出た言葉を尽くして、たとえばこのように伝えるしかないかもしれません。
「これまでチームのゴールのためにいろいろ言ってきたけれど、会社として違う結論を出さなければならなくなった。会社の結論は、私がいってきたこととはむしろ反対の方向性かもしれない。この瞬間、私たちはどう動かなくてはいけないのか。昨夜、私は寝ずに考えた。
あらためて考えると、今回はいったん自分を捨ててでも、今は会社の結論に従うべきだと思った。それが、未来につながると思った。この判断が正しいのかどうかわからない。でも、これが今の正直な気持ちだ。みんなさまざまな想いがあると思うけれど、今回はついてきてくれないか」
チームメンバーはリーダーの姿勢を見ている
つねに本気で仕事に取り組み、全身全霊で悩み、考え、言葉を振り絞って伝えていく。リーダーは、チームと上位概念(ここでは会社)のあいだで、必死にもがく存在なのです。
逆に会社が何を言おうが、自分の意思をとおさなくてはならないときもあるでしょう。「上がああ言ってるから、とりあえずやっとこうよ」ではなく、チームメンバーは、会社のWhyと本気で向き合うリーダーの姿勢をしっかりと見ています。
自分自身の「譲れない想い」は、Lead the selfによって育まれていきますが、それは決して自分のわがままをとおすという意味ではありません。自分の過去から現在、そして未来へ向かう軌跡は、動けば動くほど、どんどん変わっていきます。考えて実行し、振り返って実行する。その繰り返しのなかでつねに変化するのです。
そうして自分とチームと会社のあいだでつねに揺れ動きながら、「ここはぎりぎり自分の譲れない一線だ」という部分を、リーダーは追い求めるべきです。同時に、チームメンバーに対して本気の言葉を尽くして想いを伝えていき、チームメンバー一人ひとりと向き合い、その想いをくみ取る必要があるのです。
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