電車が運んできたキャベツはなぜ「おいしい」のか 東武・京急が実証実験、「朝採れ」を都市部へ直送
東武鉄道が運搬するのは「売れ残った野菜」とはいえ、もともと直売所に並んでいた商品のため、新鮮でしかも値段が安い。その日の朝に収穫した農産物など、消費者は都心にいながら「お得でおいしい」野菜を買うことができる。さらに、直売所で閉店後に売れ残りを引き取っていた生産者にとっても、廃棄する商品が減って収益につながるメリットがある。
京急も野菜を運ぶ
同じ3月には、神奈川県の三浦半島と横浜方面を結ぶ京浜急行電鉄も電車で野菜を運搬する実証実験を2回実施した。
こちらは当日朝収穫した春キャベツとブロッコリー30~40個ずつを含む数種類の野菜を「三崎マグロ駅」の駅名看板を掲げる三崎口駅で積み込み、横浜市港南区の上大岡駅まで運搬。同駅1階改札口前に設置した特設売り場で京急ストアのスタッフが販売した。
参加したのは京急ストアと取引のある三浦市の河田農園。軽トラックで三崎口駅まで運ばれてきた野菜を、京急社員が10時26分発の「快特高砂行き」の最後部に積み込んだ。実証実験に使用した快特は、朝の通勤・通学の時間帯を過ぎているため、乗車率はコロナ前の数値で50%程度という。
約40分後、快特が上大岡駅に到着すると、わずかな停車時間の間に手際よく野菜が入った箱がホームへ運び出された。売り場に並んだのは11時過ぎ。朝露が付いたままの春キャベツとブロッコリーは正午までにほぼ売り切れる人気ぶりだったようだ。
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