中国が開発、350km「高速貨物列車」成功するのか

新幹線は「貨客混載」開始、欧州では実例もある

中国の車両メーカー、中国中車唐山軌道客車が開発した時速350kmの高速貨物車両。側面に大型のドアがあるのがわかる(写真:中国通信/時事通信フォト)

JR北海道と宅配大手の佐川急便は3月24日から、北海道新幹線の客室を使って宅配便の荷物を運ぶ「貨客混載輸送」を開始した。

コロナ禍によって鉄道の利用者数が低迷する一方、「巣ごもり需要」で、いわゆるオンラインショッピング(eコマース)経由の消費は増えている。新幹線を使った宅配便輸送は鉄道の乗客減を補うとともに荷物輸送のリードタイム短縮につながり、高速鉄道の特性を生かした新たな展開といえる。

高速鉄道を旅客輸送だけでなく、「モノ」の輸送に使おうという動きは海外にもある。中国では最高時速350kmの貨物列車試作車両が登場した。世界各国で高速列車による貨物輸送はどのような例があるのか、現状を探ってみた。

どんな車両?中国の「高速貨物列車」

最高時速350kmという中国の「高速貨物列車」は、2020年12月に試作車両が公開された。車両を製造したメーカー「中国中車唐山軌道客車」の地元、河北省の地元紙の報道によると、その特徴は以下のように説明されている。

●8両編成(4M4T)からなる1編成で、積載荷重は110トン以上、積載容量は800平方メートル以上
●各車両の両側に設けられたドアは幅2.9mあり、スピーディーな積み降ろしが可能
●車両内の全スペースのうち85%を貨物積載に使える
●貨物の単位重量あたりのエネルギー消費量は航空機の8%と効率がよく、航空輸送や道路輸送に比べて天候など環境要因の影響を受けにくい

この輸送力を航空機と比べると、「ジャンボジェット」と呼ばれたボーイング747カーゴ(貨物)機1機分(100トン〜120トン弱)とほぼ同じだ。

気になる今後の使いみちだが、入手できた中国側の資料では「1500kmの距離なら5時間以内で到達できる」と北京―上海間の輸送をイメージした内容を掲げているものの、それ以上の詳細は不明だった。

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