#Black4Rohingyaが映すミャンマー内の大変化 ミャンマー「統一政府」も共闘を呼びかけ
「今では多くの人がロヒンギャをミャンマーにおける“仲間”の市民として受け入れています。ミャンマー市民の多くは、彼らが国軍によって洗脳されていたことに気づいたのです。つまり、彼らは今、ロヒンギャの基本的な人権を尊重してくれているのです」と、ロヒンギャ支援団体のネイ・サン・ルウィン氏は言う。
「以前はロヒンギャ難民を支持してくれるのはミャンマー国外の支持者しかいませんでしたが、クーデター以降はミャンマー市民や組織から公式にこれまでのロヒンギャ迫害について謝罪を受けました。私たちロヒンギャにとって、友人である多数派ビルマ族のミャンマー市民からの連帯は、非常に重要な意味を持つのです」
「#Black4Rohingya」の系譜
実は、この「#Black4Rohingya」のソーシャルメディア上のキャンペーンは、クーデター後に始まったものではない。2012年6月に、ミャンマー西部ラカイン州で多数派仏教徒とロヒンギャの衝突が勃発し、ロヒンギャを中心に約14万人が国内避難民となりキャンプでの生活を余儀なくされた翌年から、犠牲者を追悼して「#Black4Rohingya」キャンペーンは毎年行われるようになった。
しかし、これまでロヒンギャ難民や人権活動家の間で行われるのみでほとんど注目を浴びることはなかった。それが一変した。これまで一定の小さなコミュニティーでしか拡散されてこなかったハッシュタグが、今年は一挙にミャンマーのソーシャルメディア全体を席巻することになったのである。ちなみに、2020年のツイッター上での拡散数は2万6000件に対し、今年は実に50万件以上にのぼっている(6月14日時点)。いかにミャンマー国内でロヒンギャへの注目度が急速に高まったかが浮き彫りとなっている。
これには、ネイ・サン・ルウィン氏も驚いている。口コミでハッシュタグがみるみると広まっていく様子を初めて見たと言い、「ミャンマー国内の人々がこのキャンペーンに参加したことをとてもうれしく思います。彼らからより強い連帯を得ることができればと願っています」と述べている。
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