イオン、「本業のスーパーが赤字」の深刻度 第1四半期決算はダイエーの赤字も響いた

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今後の対策として、価格対応を強化する。「購買頻度の高い商品の価格訴求を強化していく」(森副社長)として、7月4日から、競合他店の調査を徹底した上で、個店ごとにNBを中心に100品目の値下げを実施した。期限は設けずに、当面続ける方針だ。また、各店長の価格決定権限も強化する。PB「トップバリュ」のリニューアルや新商品投入など、こうした価格対応強化で客数増を図る方針だ。

さらに「ザ・ビッグ」や「アコレ」などディスカウント業態の出店を加速させる。懸案のダイエーも、食品への特化や、出店エリアも首都圏、京阪神に集中させる方針で、他エリアの店舗や子会社はマックスバリュなどイオングループの同一業種と一体運営を進め、採算の改善を図る。

利益計画達成には要努力

5月に首都圏スーパーマーケット連合の創設を発表した(撮影:梅谷秀司)。

イオンの岡田元也社長は「(第1四半期の)結果は非常に残念だと思っている。様々な要因が重なってこうなった。的確に手を打ち早期回復を狙っている。ただ昨年から今年前半にかけ、ダイエー子会社化や首都圏SM連合構想の実現など大きな変化があった。これらをグループ全体に最も効果のある形でやり抜くことが重要。必ず成果を出していく」と強気の姿勢を崩さない。

2015年2月期の営業利益計画は2000億~2100億円。第1四半期実績は224億円で、通期計画の達成には、第2四半期以降、相当な努力を要する。価格対応強化だけで計画達成が可能かどうか、不透明感が拭えない。前期も当初の営業利益計画は2000億円~2100億円としていた。今年1月に発表した第3四半期決算の時点でもこの計画は変えていなかったが、3月になって大幅な下方修正を公表。最終的に営業利益は1714億円(前期比10%減)で着地した。

期末決算間際の業績修正に市場関係者から不評を買った。だが今期、その轍を踏むことは許されがたい。岡田社長は「イオン全体が大きく次の段階に進める、そういう年にしたい」と語っている。早期の回復を実現し、今期を節目の年とするには、高いハードルが待ち構えている。

石川 正樹 東洋経済 記者

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いしかわ まさき / Masaki Ishikawa

『会社四季報』元編集長。2023年より週刊東洋経済編集部。

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