低価格を売り物に急成長を遂げた中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)。同社は3月17日に2020年10~12月の決算報告を発表し、同四半期の売上高は265億4800万元(約4449億円)と前年同期の2.46倍に増加、アナリストの事前予想を上回った。
一方、純損益はストックオプションや減損損失などを控除・調整した非GAAP(アメリカ会計基準)ベースで1億8500万元(約31億円)の赤字だった。前年同期の8億1500万元(約137億円)に比べると赤字幅は大幅に縮小したが、拼多多は直前の2020年7~9月期に創業後初の黒字を計上しており、2四半期連続での黒字は達成できなかった。
今回の決算報告のハイライトは、2020年12月末時点のアクティブユーザー数が前年比35%増の7億8800万人に達し、EC最大手の阿里巴巴(アリババ)の7億7900万人を初めて上回ったことだ。
とはいえ拼多多は商品単価が低いこともあり、プラットフォームを通じた商品販売の総額であるGMV(流通総額)では、アリババとの差はまだ大きい。2020年12月末までの1年間のGMVは1兆6700億元(約28兆円)と前年同期比66%増加したが、アリババは2020年3月末までの1年間のGMVが7兆500億元(約118兆円)に達している。
新サービス「多多買菜」の先行投資重く
拼多多のGMVは急成長を続けているものの、伸び率の数字自体は2四半期連続で低下した。そんななか、同社の将来を占う試金石と見られているのが、生鮮農産品などをオンライン販売する新サービス「多多買菜(ドゥオドゥオマイツァイ)」だ。
多多買菜は2020年8月に江西省南昌市と湖北省武漢市の2都市で試験サービスが始まり、現在までに中国の25省の100都市以上への展開が進められた。決算説明会では、多多買菜のビジネスモデルや投資計画に関してアナリストの質問が集中した。
それに対して拼多多の陳磊CEO(最高経営責任者)は、「地域のコミュニティーによる伝統的な共同購買のオンライン版ではない。多多買菜は個々のユーザーが単独で注文できるサービスだ」と、改めて強調した。
多多買菜は倉庫や物流網の整備と効率化に大きな先行投資を要し、投資負担が重いビジネスであることを陳CEOは認めた。
将来的には拼多多の巨大なユーザー基盤を生かし、サービスの利用率と満足度の向上に務め、商品の品質管理を強化することにより、24時間以内または翌日配送を実現する利便性の高い仕組みを作り上げると、陳CEOは意気込みを語った。
(財新記者:関聡、原瑞陽)
※原文の配信は3月18日
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