ボルボが2030年全車EV化に挑戦できる納得の訳 小回りのよさや吉利との関係強化を活かす

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この計画の一環となるのが、ボルボブランド初のEV専用モデル「C40リチャージ」だ。現時点で世界に3台しかない貴重なデザインモックアップが東京・青山にあるブランド拠点「ボルボスタジオ青山」でメディア関係者にお披露目された。

エクステリアはXC40と共通イメージを持つが、リア周りはルーフを低めたクーペスタイルやルーフに続く印象的なテールランプなどが特長となっている。今回はデザインモックアップのためインテリアは備えられていないが、新世代ボルボに準じたデザインなのは間違いない。

エクステリア・スタイリング・キットを装着したV60(写真:ボルボ)

パワートレインは前後に150kWのモーターを搭載する電動AWDで0→100km/h加速は4.9秒となかなかの俊足である。バッテリーは78kWhを搭載、航続距離はWLTPモードで420kmだ。欧州向けのXC40リチャージはボルボ初となる無線通信によるアップデートの開始が発表されているが、C40もそれに準じているはずだ。

日本での発売は今年の秋で、公言どおりオンラインのみでの発売となる。さらに当初導入の100台に関しては、新しいサブスクリプションプラン(ライフスタイルの変化に合わせた短期の契約終了も可能な画期的な内容)が用意されるそうだ。

より厳しくなる規制に対応できるか

とはいっても、2030年まで9年あり、内燃機関を備えたモデルもより厳しくなる規制に合わせて進化させていかなければならない。このあたりはどうするのだろうか? 

ボルボは2010年に吉利汽車(ジーリー)の親会社である浙江吉利控股集団(ジーリーホールディング)傘下となった。ジーリーホールディングのオーナーは「われわれは“スウェーデン”のボルボを手に入れた」と語り、ボルボの独自性を尊重。その代わりに彼らの技術/ノウハウをグループで共有と、まさにWIN-WINの関係である。

実は今回の発表直前の2月24日に、ボルボと吉利汽車(ジーリー)とのさらなる提携の強化を合意。その内容はEVアーキテクチャーの共有や自動運転技術の開発や調達など幅広い協業が進められる。かつては技術の流れはボルボ→吉利汽車だったと言うが、最近では吉利汽車の電動化(バッテリー)/自動運転技術の進化の速さとボリュームの大きさなどから、逆の流れもあると聞いている。

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