韓国大統領「日本は重要な隣国」と述べた理由 独立運動記念式典でなりを潜めた対日強硬発言

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しかし、慰安婦と元徴用工問題の解決を主張してきた日本が、文大統領の今回の発言に素直に応じるかは不透明だという評価が専門家らの間で支配的だ。韓国・国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は、「過去の歴史をロー・キーで扱うというものであり、未来志向的に政策や対応を設定するというものだが、具体的な解決方法を期待する日本が韓国側のこのような姿勢に応じるかどうかは疑問だ」という。梨花女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授も、「いっそのこと無条件での首脳会談を提案したらよかったのかもしれないが、この程度の発言では解決は難しい」と指摘する。

日韓関係へのアメリカによる仲裁を期待も

アメリカによる仲裁を活用はするが、それでも状況が改善しなければ、厳しいなら厳しいなりの「状況管理」が必要だという指摘もある。韓国・国立外交院のキム・ジュンヒョン院長は「日本は1965年の請求権協定と2015年の慰安婦合意を韓国側が全面的に受け入れることを前提としており、これにより韓国側を追い詰めようとしている状況だ。アメリカの仲裁が必要だ」という。

さらにキム院長は「いま、日本に譲歩することは国内政治的に容認できない。アメリカによる仲裁が難しければ、状況を管理するという方向に行かざるをえない」と述べた。

前出の国民大学・李教授は「外交交渉によって日本が謝罪に言及し、韓国側が賠償といった物質的な解決に責任を負うという方法もあるが、これを韓国側が最初に言及すれば、アメリカが日本にとってプレッシャーになりうる」という。

元徴用工賠償判決による日本企業の資産現金化の問題、あるいは東京五輪の開催が局面を変える変数になりそうだ。韓国・聖公会大学の梁起豪(ヤン・ギホ)教授は「五輪はまだ可能性があるが、日本企業の資産現金化といった問題を韓国側が主導的に管理できるかどうかがカギ」と指摘する。

【文大統領が就任後、3.1独立運動記念式典で行った対日発言】
2018年
「慰安婦問題の解決においても、加害者である日本政府が『解決済みだ』と述べてはならない。…最も近い隣国らしく、心からの反省と和解を土台に、ともに未来へ進むことを望むだけだ」
2019年
「植民地時代の親日人士が残した残滓、これはあまりにも先送りされた宿題だ。…誤った過去を省察するときになってようやく、未来に向けて進むことができる」
2020年
「日本はいつでも近い隣国…。過去を直視できてこそ傷跡を癒やすことができ、未来へと進むことができる」
2021年
「不幸だった歴史を、加害者は忘れることができても被害者には忘れがたいものだ。…過去の問題は過去の問題として解決していけば、未来志向的発展により力を集中できる」
「韓国と日本はお互いにとってとても重要な隣国。…隣国同士の協力がいまほど重要なときはない」

(「ソウル新聞」2021年3月2日)

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