数分違いで大遅刻「乗り遅れたらヤバい列車」 すぐ後の列車でも到着が大幅に遅い場合がある

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今回取り上げたのは「土休日のお台場に12時台に着く場合」で、ほかの時間帯はここまで酷くないこともある。だがパターン化していないのはやはり使いづらい。渋谷から埼京線の板橋以北へ行く場合も、池袋で湘南新宿ラインから新宿始発の埼京線に乗り継げたり、30秒差で逃げられたりというケースがある。

また、実は武蔵浦和01分発の快速は池袋で湘南新宿ラインの快速にも乗り継ぐことができ、そうすると横浜に13時01分に到着できる。だが、04・12分発の新宿行きだとその後の湘南新宿ライン逗子行きへの乗り継ぎとなり、目的地が横浜の場合でも遅れは18分に拡大する。

関西はちょっと違う

一方、時間帯によって発車時刻や接続するかどうかが微妙に違うといったことがあまりなく、遅延がない限り接続する前提でダイヤが組まれていて、乗り遅れても遅れが拡大しにくいのがJR西日本である。

例えば大阪からJR神戸線各駅停車で甲子園口へ行く場合、毎時08・23・38・53分発の須磨行き(夕方以降は西明石行き)に乗ると22・37・52・07分に到着する(所要時間14分)。これらに乗り遅れた場合、7分後となる毎時00・15・30・45分発の宝塚線直通宝塚行きに乗ると、尼崎で東西線から来る西明石行きに待ち時間なしで乗り継ぐことができ、甲子園口着は6分遅れにとどめることができる。これなら乗り遅れても、遅れは1本分の時間で済む。

他線でも同様だ。大和路線の久宝寺駅から大阪駅へ行く場合、毎時13・28・43・58分発の大和路快速に乗ると大阪に37・52・07・22分に到着する(所要時間24分)。だが、乗り遅れたとしても3分後、毎時01・16・31・46分発の普通JR難波行きに乗れば、天王寺で阪和線から来る関空・紀州路快速に待ち時間なしで乗り継ぐことができ、大阪へは大和路快速の6分後に着くことができる。

このようなダイヤは、ネットワーク全体で運転間隔、パターンダイヤのサイクル長を統一することによって実現している。

最近は移動を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ概念として、MaaS(マース)というものが提唱されている。JR東日本も2017年9月に「モビリティ変革コンソーシアム」を立ち上げたそうだが、まずは路線間接続の時間的シームレス化を推進し、どのタイミングの列車に乗ってもスムーズに移動できる「お客の表定速度」向上を目指してもらいたいものだ。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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