後悔しない! 相続/事業承継&葬儀・墓

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 それでも、金額の多寡にかかわらず、配偶者や兄弟姉妹など相続人の間で遺産を法定相続分どおりに分けるのは骨が折れる。亡くなる被相続人の世代にはまだ、長兄による家の継承が当たり前との思いが残っているが、今の相続人たちは兄弟姉妹の権利が平等な戦後民法の考えを持つ世代。当然、相続人の間で不平も出てくる。

遺言書がないことで、こうした矛盾を解決できないだけでなく、相続手続きが膨大で面倒になる。相続人が会社を休んで地方と都会を何度も往復させられる例はザラにある。

高齢化と少子化が葬儀・墓の変化を加速

高齢者にとっては、墓の継承も深刻な問題。息子がいない、いても孫に男子がいない、など「長男による家の墓の継承」が現実味を失ってきている。地方の墓地は継ぐ者がいない無縁墓になりかねず、墓の改葬(引っ越し)も当たり前になった。都心で永代供養墓や納骨堂を選ぶ人が増える一方、樹木葬や散骨、手元供養など、自分らしい送り方・送られ方へのニーズも増えている。

火葬のみで通夜や告別式を省略するなど、葬儀の簡略化も広まり出した。長寿化と病院死の増加で、遺族は故人の生前から介護などの世話で体力的、金銭的に疲弊。「別れのつらさ」すら、生前に半ば味わってしまうため、葬儀をあまりにも簡素に済ませる。その結果、逆に死別の悲しみから脱却できない遺族も多い。

日本の相続と葬儀はどう変化するのか。『週刊東洋経済2010年4月17日特大号』では多様な角度から検証する。


(週刊東洋経済編集部 写真:梅谷秀司 デザイン:大塚博子)

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