「欧州から単身帰国」40代日本人男性の波乱人生 コロナ禍で仕事がすべてキャンセルになった

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ちょうどその頃、Yutaさんのもとへ一通の手紙が届きます。

差出人欄にはRosaさんの名前。中を開くと、Yutaさんとの楽しい思い出や、青春時代の甘酸っぱい思い出、今でも、いつでもYutaさんを想っているという内容がたくさん綴られていました。

Yutaさんはそれを読むと居ても立ってもいられなくなり、すぐにRosaさんのいる国へ会いに行きました。

Rosaさんと久々の再会を経て、やっぱりお互いに惹かれ合っていることを再認識し、離れ離れにはなるけれど、「また付き合おう」と、交際が再スタート。こうしてYutaさんの2拠点生活が始まりました。

25歳になる頃には、本格的にプロのアーティストとして活動をスタートし、海外でも自分の居場所が必要だということで、Rosaさんが住む町で家を購入。その後、Rosaさんが妊娠し、第一子が生まれ入籍しました。

仕事観が妻と理解し合えず…

その数年後、第二子も生まれ、一時は家族全員で日本に住もうとしたこともありましたが、慣れ親しんだ町を離れて日本の学校へ行くのはいやだとお子さんが訴えたそうです。親のエゴにならないようにとまた欧州に戻り、Yutaさんはレギュラー出演の仕事を続けていましたが、「自分は外国人だから面白がってもらえてるだけだ。子どもの頃から現地の音楽を聴いて育った町の露店でパンツ売っている普通の人が何気なく歌って踊る姿のほうがよっぽどかっこよくて、泣けるくらい感動する。自分はアーティストの仕事を続けていいのだろうか」という葛藤があったといいます。

どんな状況でもRosaさんはYutaさんの考えを尊重し、見守ってくれていましたが、半年に1度は離れ離れの生活で育児にしっかり参加できないことも多々あり、家族との溝に悩むこともあったというYutaさん。

「もともと離れている生活にはお互い慣れていますし、妻の家族全員がすぐ近所に住んでいてよく一緒に食事するので僕も安心してます。アーティストという僕の職業もそうですが、妻はどんな状況も受け入れてくれるので夫婦げんかはほとんどないんですが、“仕事への向き合い方”だけはずっと理解し合えずにきたんです」と語るYutaさん。

「妻はずっと時給での仕事しかしてきてないので、“賃金=労働時間”という感覚が強い。ステージを作り上げるのに必要なアーティスト同士のコミュニケーションの時間は“ただの遊び”としか思ってもらえず、話し合っても毎回けんかになりました」

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