日本人が知らない世界の5大炎上事件2020年版 思い込みが先だと多様な価値観に気づかない

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黒人の歯が白く笑っている様子は、ある種の偏見を呼び起こすとして、同ブランドは変更を検討するに至った。また、このブランド名や商品変更の動きは、同社だけではない。黒人女性や黒人男性を、ある種のステレオタイプに結びつけるものは、多くが見直しを選択している。いや、白人女性、白人男性であってすら、そこに差別的なステレオタイプを読み込む消費者がいる限りは今後も見直しが進むだろう。

あまりにもやりすぎではないか、という面もあるだろう。しかし、それは差別を自らのものとしていない私自身の戯言なのだろう。コロナ禍でも商品のグローバル化は止まらない。さらに情報はSNSを通じて瞬時に世界に行き渡る。そのとき、やはり、さまざまな価値観の人たちが眺めている可能性は忘れないほうがいいだろう。

それは単なる思い込みかもしれない

日本のニュースだけではなく、世界のニュースを見てみると、気づきや学びがある。それは世界に目を向けるのではなく、身近なところでも同じなのかもしれない。例えば、自分の半径数メートルにある情報だけではなく、いろいろなデータを見てみる。そうすると、知らなかった事実に気づくだろう。

欧米の事実ではなく、例えば日本で考えても見えていない事実があるかもしれない。私はできるだけ自分も思い込みを脱するために、データを照らし合わせながら事象を検証するようにしてきた。

拙著『稼ぐ人は思い込みを捨てる。』で詳しくまとめているが、例えば私の思い込みでいえば、次のとおりだ。

『稼ぐ人は思い込みを捨てる。 みんなの常識から抜け出して日本の真実を見るスキル』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

・日本は起業数・開業数が少ないと思い込んでいた→実際はアメリカと大差がない

・日本人は会社を愛している→日本人ほど愛社精神がない国民は珍しい

・企業は努力によって利益率を向上できる→どの分野を選んだかで利益は決まる

・日本人はリスクを避ける国民だ→日本人ほどリスクを好む国民はいない

・厳冬・酷暑などの気候条件によって、例えば衣類関係企業の利益に影響が出る→気候とは関係がない

・日本企業は閉鎖的である→日本企業ほど開放された組織はない

など、次々と面白い事実がわかってきた。もちろん私もまださまざまな思い込みにとらわれているだろう。しかし、その思い込みをもっているかもしれないと自覚することがビジネスの革新につながるのではないだろうかとも思っている。

世界は2021年も混迷を極めると考えられる。視野狭窄に陥ることなく、広く情報を収集しながら、不安定なる時代を渡っていきたい。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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