中高を視野に「プログラミング授業」は小1から 教員のためにも今は早い時期から始めるべき

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「中学校では2021年度から『技術・家庭科』で行うプログラミングの難易度が上がります。『ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決』に取り組むからです。高校でも22年度から『情報Ⅰ』が必修化されますし、大学入試も大学入学共通テストに情報科目の導入が検討されています。それらに対応するには、小学校の5、6年生で数時間やるだけではとても追いつかないでしょう。何より、Society 5.0時代の子どもたちのキャリア形成を考えたら、低学年からしっかり取り組み、小学校段階でBASICなどのテキストプログラミングを体験して、中学、高校での高度なプログラミング教育に備えるべきだと考えています」

高学年で急に高度な内容に触れると、ついてこられずに脱落してしまう子どもも増えてしまう。算数を小学1年生から徐々にレベルを上げていき、中学で数学を始めるのと同様に考えたほうがよさそうだ。教員養成に携わる加藤准教授は、そうすることで、教員の負担軽減にもつながると指摘する。

「少しずつでもいいので、1年生からやったほうがいいでしょう。子どもたちもスキルを習得しやすくなりますし、先生にとっても中高学年の授業での負担が減ります。日本の教育では、どこの学校に新しく先生が入ってもすぐ授業ができるような仕組みが、長い時間をかけてできあがっていますが、プログラミング教育ではまだできていません。教材もカリキュラムも整っていませんし、教科書もありません。すぐに対応できる先生はほんの一握りしかいませんので、先生も一緒に学ぶように始めたほうがいいと思います」

プログラミングの授業は「低学年から始めるべき」というのは3氏ともに同じ見解だ。GIGAスクール構想によって1人1台の端末が実現すれば、小学校1年生からのプログラミング授業も常識になっていくのかもしれない。では、実際の授業では何を使って、子どもたちに何をやらせればいいのか。次回の連載3回目では、3氏の具体的なノウハウを紹介していく。

第1回独学?習う?プログラミング授業の準備と現実<教員のスタンス編>
第3回プログラミング授業の作り方と教材選びの要諦<教科・ソフトの選び方編>
第4回 「プログラミング授業」意外な落とし穴と対処法 <ICT支援員編>
第5回 プログラミング「理解ない管理職」の巻き込み方 <コミュニティ編>

プログラミング授業設計の基本思想
「『並べた順番に動く』ことを理解してもらうことを最初の目標に」加藤直樹
「究極の目標は、『身近な困り事をテクノロジーで解決できる児童になる』」利根川裕太
「小学校の5、6年生で数時間やるだけではとても追いつかない」松田孝

(注記のない写真はiStock)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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