景気が今より回復しても株価上昇は微妙な理由

コロナ禍が薄れたあとの日経平均はどうなる?

日経平均株価は11月に入って29年ぶりの高値を更新。バブルとの指摘が多い一方、実体経済の回復を伴うとの見方も(写真:Ryuji/PIXTA)

日経平均株価は、11月に入って29年ぶりの高値を更新している。株価上昇をめぐっては超拡張的な財政政策と超緩和的な金融政策に支えられたバブル的相場との指摘が多い一方、ここへ来て実体経済の回復を伴ってきているのも事実だ。今回は世界のマクロ経済にフォーカスして、日本株の先行きを占ってみたい。

まず、包括的な指標で世界経済の回復度合いをチェックしてみよう。グローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)は10月に53.0まで上昇し、2018年5月以来の高水準に到達した。好不況の分かれ目となる50を上回るのは4カ月連続である。

この指標は企業に前月との比較を問う形式であるから、指数の上昇はこの間の回復モメンタムが強まっていることを意味する。厳格なロックダウン(都市封鎖)などによって先送りされた需要が発現し、挽回生産が活発になっているのだろう。アメリカや中国における自動車販売台数の急回復が効いているほか、5G関連需要もありIT関連財が堅調、また中国における旺盛な投資意欲から資本財需要が増していることも大きい。

銅価格が11月に入り上昇加速している意味

グローバルな製造業生産の回復を映し出すデータとしては「銅」が注目される。銅価格は2月に世界経済の変調をいち早く察知し、株価に先んじて急落。ドクターコッパーの異名を持つとおり、景気減速の先行指標として見事にワークした経緯がある。銅価格はその後、夏場にかけて持ち直した後、11月に入ってから一段と水準を切り上げている。

銅価格上昇の主因は「実需」と考えられる。世界最大の銅輸入国である中国の10月の輸入量(数量ベース)は前年比プラス43.7%と極めて高い伸びにある。中国国内のコロナ感染状況が安定化したとされる6月以降は垂直的な伸びを記録しており、生産活動の復活を物語っている。また安全資産「金」との比である銅金相対価格(銅÷金)が上昇していることも重要である。コモディティーはしばしば投機的理由によって上昇することが知られているが、金価格との比をとることでそれを除去できる。したがって最近の銅価格上昇は投機的色彩が薄いと判断される。

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