一方、岡田准一はデビューが早かった。しかもジャニーズ入りのきっかけが通常のオーディションではなく、テレビ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)の企画「ジャニーズ予備校」であった。学校の先生に憧れていた岡田だったが、中3の夏母親が応募したことで運命が変わる。見事合格した岡田は、それからわずか3カ月後にV6のメンバーに抜擢された(『日刊スポーツ』2005年4月24日付記事)。
それぞれの濃密なソロ活動
また6人は、ソロ活動においても多彩だ。坂本昌行は、かつて「この6人はまとめようと思っても、まとまらないなと思った。むしろ僕の言葉でまとまるようでは、つまらないグループになっちゃうなと」と語っていた(『サンケイスポーツ』2014年12月27日付記事)。逆に言えば、それだけ個性豊かなメンバーがそろったということである。
坂本は、ジャニーズの中でもトップクラスの歌唱力の持ち主として定評がある。それを生かし、ジャニーズのみならず外部のミュージカルの舞台にも立っている。さらに料理が得意で、情報番組「ノンストップ!」(フジテレビ系)ではレギュラーコーナー「One Dish」を持つほどの腕前だ。ちょっと変わったところでは、ジャニーズの中でも野球がうまくスポーツ番組の対決企画にも登場する。
食ということでは、長野博も知られた存在だ。かつて「ウルトラマンティガ」(TBSテレビ系、1996年放送開始)でジャニーズ初となる特撮ドラマのヒーローを演じ、俳優歴も長い。ただ最近は、食べ歩きを趣味としたり、野菜ソムリエの資格を取ったりと食通のイメージが浸透している。MCを務める「よじごじDays」(テレビ東京系)などでは、その辺の知識や調理師免許を持つ料理の腕前を披露する場面もみられる。
井ノ原快彦は、「あさイチ」(NHK)、「NHK紅白歌合戦」「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)など熟練の番組MCでおなじみだ。今年の「24時間テレビ『愛は地球を救う』」(日本テレビ系)のメインパーソナリティーを務めたことも記憶に新しい。
ただ先ほども少し触れたように、ずっと俳優志向も強い。V6としてデビュー後も「警視庁捜査一課9係」「特捜9」(いずれもテレビ朝日系)をはじめドラマや映画に数多く出演してきている。
森田剛は、ソロでは俳優としての活動がメインになっている。早くからテレビドラマの主演を務め、『ヒメアノ~ル』(2016年公開)では映画単独初主演を果たした。同作ではシリアルキラーを演じるなど、ジャニーズの枠にとらわれない役柄も積極的にこなす。また彼の場合、舞台での活躍も目立つ。劇団☆新感線の作品や蜷川幸雄演出の舞台での主演など実績を積み重ね、同じく主演の『金閣寺』は海外でも上演された。
俳優メインのソロ活動という点では、いうまでもなく岡田准一もそうだ。「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」(いずれもTBSテレビ系)といった宮藤官九郎脚本の作品での演技で評価を高め、「SP 警視庁警備部警護課第四係」(フジテレビ系)では華麗なアクションも披露した。
2014年にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で主演、第38回日本アカデミー賞では最優秀主演男優賞と最優秀助演男優賞のダブル受賞を成し遂げた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら