「四季報」で見つける「10月以降に上昇する銘柄」 今秋以降に回復が鮮明になりそうな企業とは?

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長く注目すべき投資テーマとしては「5G」を忘れてはならない。今春から日本でも商用サービスが開始された5Gだが、電波が届く地域が今のところは限られている。

しかも、春先から国民、そして投資家の関心が新型コロナ一色になったことで、中長期的な大テーマとしての存在感が薄れてしまった。市場で5Gに対する関心が再び盛り上がるきっかけになるのは、5G対応の新型iPhoneの発売だろう。

9月15日のアップルイベントでの発表が期待されたが、そこでは新型iPhoneについての発表はなかった。しかし、早ければ10月、遅くとも12月には発売される予定で、待ちわびていた世界中のiPhoneファンが熱狂し、5G対応スマホを所有する人が増えることで、5Gに対する関心も一気に高まることになるはずだ。

5GとDXが相まっての大変革を意識した投資を

まず、整備が急がれている基地局関連で、通信系測定装置大手のアンリツ(6754)、屋内通信設備の共用化を展開するJTOWER(4485)などを押さえておきたい。

さらに、iPhoneを始めとするスマホ関連では、カメラ用半導体の世界トップであるソニー(6758)、通信系電子部品の村田製作所(6981)、リチウム電池のTDK(6762)あたりも注目したい。5Gの普及とDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル変革)の波が相まって世の中が大きく変わることになる。

私たちが今、その入り口にいることをしっかりと意識して投資を考えたい局面だ。

有沢 正一 岩井コスモ証券 投資調査部長

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ありさわ しょういち / Shoichi Arisawa

1981年大阪府立大学経済学部卒業。1989年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2017年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。株式投資の対象として有望な企業を発掘するため、関西を中心に企業の調査・分析に取り組むかたわら、個人投資家向けに月10回ペースで株式セミナーの講師を務める。

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