ジム・ロジャーズ「金だけでなく銀も上昇する」 2011年のような「噴水相場」の再現はあるのか

拡大
縮小

私が本当に驚いているのは、ロジャーズ氏の先を読む力です。彼は今年1月と3月の取材の際から一貫して金と銀に注目をしていました。金のことを主に聞いていましたが、取材の際には「金も割安だが、銀は歴史的に見てとくに割安だ」と言っていました。

ロジャーズ氏が注目後、銀は一時3倍弱に急騰

実際、銀の先物価格は3月中旬には1トロイオンス=11ドル台にすぎませんでした。しかし、上述のように、その後は噴水のように上がり、3倍近くにまで急騰したのです。これには本当に驚きました。金も同じく3月中旬には1500ドルを割っていたのですから、その後の急騰ぶりにはやはり驚くばかりです。

くしくも、私が取材をした日は3月17日でしたので、このときに買って上手に利益確定ができていれば、いったいどれくらい資産が増えたことだったでしょうか。カリスマに会っているのに、早く行動をしなかったことが悔やまれてなりません。

ロジャーズ氏は、写真にもあるように、取材時には銀や金のカップや食器を見せてくれたりしました。ロジャーズ氏は来日の際は、東京・銀座の「ギンザタナカ銀座本店」に行くのも大好きなようです。

取材以来、私自身も銀を気にするようになり、フランスに本拠を置く有名ブティックのクリストフルのシンガポール店で食器を見たりはしていました。そうすると、先述のように、ずっと停滞していた銀相場が急騰したわけですから、本当に驚きました。

もちろん、多くの人は金にばかり注目をしていたでしょうし、銀相場には無関心だったのではないでしょうか。誰もが無視をしている投資対象にいち早く気づき、底値で取得するのが天才投資家なのだと、改めて肌身で感じさせられる出来事でした。

次ページ銀は2011年の価格まで急騰するか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT