広がるトヨタバッシング、収束不能のリコール問題に加え、プリウスも火種に

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広がるトヨタバッシング、収束不能のリコール問題に加え、プリウスも火種に

「豊田章男社長に成り代わって話します。私でご容赦願いたい」

2月2日、トヨタ自動車の名古屋オフィス。ピリピリした空気の中、リコール(回収・無償修理)問題で初の会見が開かれ、佐々木眞一副社長が釈明に追われた。社として陳謝した後、記者から「なぜ社長が出ないのか」と、詰め寄られた瞬間だった。

事態は日を追うごとに深刻化している。今回の問題が表面化したのは先月21日。トヨタが米国で販売した8車種・230万台について、「アクセルペダルが戻らなくなる」と、リコールを発表したのがきっかけだ。ペダル内部のレバーが摩耗した状態でヒーターを使うと結露が発生、摩擦によって踏み込んだペダルが戻らない、というものだ。

その後、26日には同車種を販売停止。北米5工場では、今月1日から7日にわたって、生産を見合わせている。他の地域でも同様の案件が相次いだ。すでにリコール対象車種は、北米248万台、欧州171万台、中国8万台とその他を併せ、計445万台にも膨らんでいる。改修策として、各ディーラーでペダル内に摩擦力を弱めるプレートの挿入作業を開始。1日には米主要紙に全面広告を掲載したほか、米トヨタ販売のジム・レンツ社長が大手テレビ局に出演して謝罪した。

トヨタは昨年11月、「アクセルにフロアマットが引っかかり戻らなくなるおそれがある」とし、自主改善措置を発表したばかり。北米では計575万台の無償交換に追われた。前回と今回では重複する車種もあるが、延べでは合計1000万台以上に上る。これは2007年に過去最高販売を記録した、937万台も超える大規模な数字だ。

看板のプリウスにも傷

一連の問題の背景には、過去数年にわたる急激な拡大路線に伴う部品の共通化や、現地サプライヤーの採用増などを進めてきた弊害が見え隠れする。国内でのペダル生産は今回問題を起こした米CTS社製ではなく、デンソーだった。同社製では「不具合の報告は入っていない」(臼井定広常務)。「高品質」というブランドイメージを築き成長を遂げてきたトヨタだが、急ピッチな事業拡大の反動は大きかった。

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