有料着席列車「THライナー」の長所と今後の課題 続々と登場するデュアルシート列車の特徴

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専用車両70090型が到着した。霞ケ関駅では各車両の扉が1つだけ開いた。乗車率は20~30%程度であり、余裕がある。子ども連れの乗客もちらほら見られ、「お子様とのお出かけ」という、狙いは当たっているようだ。

クロスシート状態のTHライナーの車内(写真:東武鉄道)
ロングシート状態のTHライナーの車内(写真:東武鉄道)

クロスシート部分の窓側に座る。前後の座席の間隔は1m程度と広い。前の座席背面にドリンクホルダーと小物かけ、コンセントが2つあるのは便利である。座席の背もたれはリクライニングしないが、やや傾斜している。窓側と通路側には細い肘掛けがあり、折りたたまれた中間肘掛けも設けられている。

座面は水平でやや硬め。座面の奥側がへこんでいないので、体がやや前すべりするが、最大1時間33分の乗車であり、必要十分である。足元のレバーを踏めば、座席の回転も可能で、4人で向かい合わせに座ることもできる。

車端部には3人掛け固定式ロングシートもある。枕木方向の壁面にコンセントが1つ、レール方向の壁面には2つある。座席は背中のクッションがやや厚めで、横幅が心持ち広く、クロスシート部分より座り心地でやや勝る。壁面と袖仕切りには肘掛けがないのは残念である。車内には空気清浄器が備わり、フリーWi-Fiも使える。トイレはないので、乗車前にすませたほうがいい。

2人1組のスタッフが乗車

THライナーは東京メトロ日比谷線内を進む。久喜行では、銀座、茅場町、秋葉原、上野駅以外は通過する。臨時列車「みなとみらい号」「東京ミレナリオ号」以来の日比谷線内通過列車であり、定期列車では初めてだ。

列車内には2人1組のスタッフが乗車し、予約がない乗客が席に座っていないかを確認していた。座席指定券を持たずに乗車すると、設定金額+200円の車内料金を取られる。

上野駅を出ると、乗車客はいない。新越谷駅までの27分間は乗客に動きがなく、静かである。最寄り駅から霞ケ関駅までの移動では、ロングシート状態の70090型に乗車したが、立客がおらず、静かな車内からは優雅で快適な印象を受け、別の車両のようだ。

16時27分、列車は梅島駅から急行線に入る。THライナーは、日比谷線直通列車で初めて「急行線に入って東武伊勢崎線内で追い抜きをする」列車である。

複々線の急行線に入ってからは快調に飛ばし、初めての「下車駅」新越谷駅に到着する。乗車はできないというアナウンスがなされ、ホームの乗客が戸惑っていた。揺れも少なく、快適な車内であり、久喜駅までの1時間15分はあっという間であった。

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