有料着席列車「THライナー」の長所と今後の課題 続々と登場するデュアルシート列車の特徴

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各社とも夕方の通勤時間帯に、都心部から郊外に向けた着席サービスをメインとし、系統によっては朝ラッシュ時にも運行されるが、本数は少ない。

THライナー(写真:石(@ishi_ae86) / PIXTA)

座席指定料金は、300~1060円の範囲で、平均すると500円ほど。切符はネット予約か、駅の自動券売機で購入できる。列車の運行時間は最短31分~最長2時間33分で、1時間以内の運行時間が大半だ。付帯設備は列車によって異なるが、「フリーWI-FI、空気清浄器、ドリンクホルダー」が多い。有料列車であることを演出するため、ロングシートモードとは車内照明が異なる列車や、音楽で出迎える列車もある。西武鉄道40000系電車では、運行時間の長い運用もあるため、フリースペースやトイレも設定されている。

THライナー1号に乗車

数を増やしたデュアルシート座席指定有料列車だが、その特色はどうだろうか。

登場したばかりのTHライナー公式ホームページには「通勤・通学だけでなく、お子様とのお出かけにも快適にご利用いただけます」との記載がある。そうした「お出かけ」利用がどの程度あるのか。THライナー1号に、日曜日を選んで乗車した。

運行区間だが、下り列車は東京メトロ日比谷線霞ケ関駅→東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の久喜駅まで。上り列車は久喜駅→日比谷線恵比寿駅を運行されている。平日の下り列車は、1時間おきに霞ケ関18時2分~22時2分発、上り列車は久喜6時12分、8時13分発の2本と、通勤時間帯の着席を保証する通勤ライナーらしい運行時間帯である。

土休日は下りが1時間おきに霞ケ関16時2分~20時2分発、上りは久喜8時13分、9時23分発であり、久喜方面から東京都心への観光利用もしやすいダイヤである。

THライナー1号は霞ケ関駅を16時2分に出発する。ホーム上に座席指定券売機が設置され、ネット予約以外の乗客はここで指定券を購入する(東武線内では駅の券売機や窓口でも予約できる)。指定券は東京メトロ日比谷線内からだと、新越谷・せんげん台駅までが580円(小児300円)、春日部・東武動物公園・久喜駅までが680円(小児350円)だ。

筆者は弱冷房車である5号車の座席を指定された。ホーム上の券売機では弱冷房車や座席位置は選べない。好きな座席を選びたい場合は東武ネット会員となり、ネット予約すれば乗車1カ月前の午前9時から、好きな座席を予約可能だ。

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