アメリカ迷走が世界経済の巨大リスクとなる訳

コロナ封じ込められず需要がさらに弱まるかも

7月20日、10年に及ぶ景気拡大が終わりにさしかかった2018年。「晴天」の世界経済を引っ張っていたのは、減税と財政支出で国内外を潤す米国だった。写真は5月、米テキサス州ガルベストンで撮影(2020年 ロイター/Callaghan O'Hare)

[ワシントン 20日 ロイター] - 10年に及ぶ景気拡大が終わりにさしかかった2018年。「晴天」の世界経済を引っ張っていたのは、減税と財政支出で国内外を潤す米国だった。

しかし現在、世界経済を回復から引きずり下ろしかねないのもまた、米国の政策だ。同国の新型コロナウイルス危機への混乱した対応は、世界景気の回復持続を脅かす最大のリスクとなっている。

メキシコから日本に至るまで影響か

メキシコから日本に至るまで、当局者は既に神経をとがらせている。ドイツは輸出が打撃を被り、カナダは米経済の成長に悪影響が広がれば、その余波は免れないと案じる。

国際通貨基金(IMF)は米経済に関する報告書で「世界的に今後数カ月から数年間は困難な時期となるだろう。特に懸念されるのは新型コロナの感染者数がまだ増え続けていることだ」と指摘。米国で貧困者が増え、「社会不安」が広がることを経済成長のリスクの1つに挙げた。

「今後数年間にわたり、米国民の大部分が生活水準の大幅な悪化と厳しい経済的困窮を強いられるリスクがある。ひいては需要がさらに弱まり、経済への長期的な逆風が強まりかねない」という。

この認識の裏には、一連の厳しい現実がある。米政府は4、5月に経済活動を制限したのに伴い、約3兆ドル(約321兆円)の景気対策を打ち出した。しかし対策が期限を迎えようとしている今、同国では新型コロナ感染症が猛威を振るっている。同国の感染者数は360万人を超え、死者は14万人に及んだ。1日の新規感染者数は5月半ばから3倍に増えて7万人を超え、4月から7月にかけて徐々に減少していた死者数の7日移動平均は増加に転じた。

一方、諸外国では常識になったマスク着用といった問題でさえ、米国では意見が対立。テキサスやカリフォルニアといった一部の州は制限措置を再開している。米国の就業者数は2月の水準を1330万人も下回ったままだが、アナリストは既に景気回復が頭打ちになる可能性を指摘している。

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